【2010年 第10回 】不動産投資と税金 不動産投資
大倉 修治⇒ プロフィール
不動産はその購入(取得)時や売却(譲渡)時だけでなく、所有しているだけでも税金がかかります。この税金は、不動産投資におけるコストのひとつとなり、キャッシュフローにも影響を与えることになります。
主な税金の種類およびその概要は、以下のとおりとなります。
①不動産取得税
不動産を取得した人に対して、その不動産の所在する都道府県が課税します。床面積が50㎡以上(一戸建て以外の賃貸住宅は1室あたり40㎡以上)240㎡以下であることなど、一定の要件を満たした住宅については、軽減措置があります(マイホーム、セカンドハウスに新築だけでなく中古も。貸家住宅については新築のみ)。
②登録免許税
不動産の登記等を受ける人に対して、登記申請時に国が課税します。所有権の保存、移転、ローン借入時の抵当権設定等の際にかかります。
③印紙税
不動産購入時、売却時の売買契約書やローンの契約時の金銭消費貸借契約書などに印紙を貼り、それを割り印等で消すことで、国に納付する税金です。
④固定資産税
毎年1月1日現在において、土地・建物等の固定資産を所有している人(登記簿または固定資産税台帳に所有者として登録されている人)に対して、その所在地の市町村(23区は東京都)が課税します。原則、課税標準(固定資産税評価額)×税率(1.4%)により計算(固定資産税評価額は原則、3年ごとに改定)。一定の要件を満たした住宅用地および住宅については軽減措置があります。また、自治体ごとに特例措置を設けている場合もあります。
⑤都市計画税
都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てることを目的にしています。毎年1月1日現在において、土地・建物等の所有者に対して、その所在地の市町村(23区は東京都)が課税します。
原則、課税標準(固定資産税評価額)×税率(0.3%)により計算。一定の要件を満たした住宅用地については軽減措置があります。また、自治体ごとに特例措置を設けている場合もあります。
⑥所得税・住民税(譲渡所得)
土地や建物等の資産の売却(譲渡)による譲渡所得が発生した場合に課税される所得です。長期間所有していた土地、建物を譲渡する場合(長期譲渡)と短期間の所有で譲渡した場合(短期譲渡)では、前者の方が税率は低くなるなど、課税の仕方が異なります。長期譲渡と短期譲渡の区分は、譲渡の日の属する年の1月1日時点での所有期間が5年を超えているか、5年以内かによります。
この区分においては、「取得の日」と「譲渡の日」が重要になるが、それぞれ、資産の「引渡しがあった日」もしくは「契約の効力発生の日」のいずれかを選択できます。
上記は、現行の税制を基にその概要についてのみ触れております。実際の不動産の取引における税務上の取り扱いについては、税理士等の専門家にご確認ください。
この記事へのコメントはありません。