【 2010年 第 1 回 】マンション居住の現状 マンションの暮らしを快適に
福本 喜保(フクモト ヨシヤス)
世帯主の年齢構成
世帯主の年齢は、「60歳代」が26,4%で最も多く、「50歳代」では24,1%、「40歳代」22,9%の順です。 とりわけ「60歳代以上」が31,7%から39,4%と増加しており、居住者の高齢化傾向がはっきりと出ています。
マンションに永住する意識
「永住するつもりである」が49,9%と前回調査(2003年度)の43,7%から6,2ポイント増加し、分譲マンション居住者のほぼ半数が、居住マンションを「終の棲家」と考えています。
賃貸戸数の割合
「賃貸住居が無い」と回答したマンションは13,2%であるのに対して、賃貸戸数割合が20%超のマンションは18,6%となっています。
築年数を経ることに賃貸戸数割合は増えています。また、空室戸数割合では、「空室が無い物件」は、43,8%であるのに対して、空室戸数割合が20%を超えるマンションも1%存在しています。
管理費等の滞納状況
管理費・修繕積立金を3ヶ月以上滞納している住戸のある管理組合は、38,5%となっています。また、6か月以上滞納している住戸のある管理組合については、24,5%でした。築年数が古く、総戸数規模が大きい程、滞納住戸のあるマンション管理組合の割合は高くなっています。
長期修繕計画の作成
長期修繕計画を作成している管理組合の割合は、78,1%から89%と10,9ポイント上昇しています。
建替えの検討状況
「建替えについて具体的に検討している」が0,5%「建替えについて検討しているが、問題が多くあるため進んでいない」が1,4%となっています。また、「建替えについては全く検討していない」が65,7%、
「建替えより当面は改修工事で対応していく予定である」が13,8%です。
トラブルの発生状況
「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」が63,4%で最も多くありました。具体的な内容としては、「違法駐車・違法駐輪」52,7%、「生活音」37,1%、「ペット飼育」34,8%の順でした。特に「違法駐車・違法駐輪」の比率が増加傾向となっているのが目につきます。
共同受信設備の地上波デジタル放送への対応状況
「既存設備で対応できる」が59,7%と最も多く、「既存設備では対応できなかったので、設備の更新を行った」が21%であり、合計80,7%が対応できているとしています。一方で、「調査等を行っておらず、既存設備で対応できるかは不明」が7%となっています。
耐震診断の実施状況
耐震診断を行った管理組合は「16,9%、実施していないマンションは75,3%となっています。また、耐震診断を実施したマンションの内75,4%が、耐震性を確保していることから耐震改修工事の必要はなかった、としています。
耐震性が不足していることが分かり、すでに耐震改修工事を行ったマンションは6%、実施予定のある管理組合は1,6%であります。耐震性が不足しているとわかっていても、「工事を行う予定のない」とするマンションが1,6%、「決めていない」マンションが3,6%となっています。
更に、耐震診断を行っていないマンションのうち53,6%が「新耐震基準に合致している」ことで診断を実施しない理由としています。一方、「耐震改修工事を行うことを全く考えたことないマンション」は、26,5%となっています。
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