【 2010年 第 8 回 】Rue Daguerre ダゲール街 フランス気分
横川 由里(ヨコカワ ユリ)⇒プロフィール
通りの幅で異なる名称
今回はフランスの道についてのお話。一口に通りといっても、リュー(rue)、ブルバール(boulevard)、アヴェニュー(avenue)など名称に違いがあります。何が違うのかというと、通りの幅によって異なっているのです。
1番細い方からリュー、ブルバール、アヴェニューの順番で広い通りになっていくのです。フランスでは、すべての通りに名前がついています。
わかりやすい番地
通りの名前だけではなく番地についても日本よりはるかにわかりやすく、通りの右側が奇数の番地なら、左側は偶数が並んでいます。ですから、1番地の横は2番地ではなく、3番地になります。
日本の何丁目、何番地、何号という表記とは異なり、番地のみですからわかりやすい!目指すところが通りの右側なのか、左側なのかもはっきりと把握できるから、ほとんど迷子にはなりません。
通りの名前は人の名前や地名
通りの名前には一般的に、政治や文化の面で活躍した人の名前や地名などが付されています。たとえば、ビクトル・ユーゴーやパスツール、ミッテラン、ジャポン(日本)、ラファイエット、サンテクジュペリなど、もちろん私の住んでいたダゲールも人の名前なのです。
日本ではほとんど知られていませんが、ダゲールは写真を発明した人です。本名、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールといい、もともとは舞台背景画家でした。
魚屋さんで有名なダゲール街
ダゲール街はパリの左岸、モンパルナスの近くにあります。古くから市場として栄え、パリ在住に日本人にとって大切な刺身にできる魚屋さんで有名です。
パリ在住日本人同士の会話
「どちらにお住まい?」
「ダゲール街です」
「あら、素敵。おいしいお刺身が食べられますね」
ほとんどの人が知っている日本人ご用達の魚屋さん。
時々店先に、ドンとマグロが横たわっていますが、フランスではマグロはどこの部位であっても値段は同じ。大トロを見つけると、今夜のメニューはお刺身に変更。
「すいませーん!これください」
「お嬢さん(当時)、日本人だね!今夜は刺身?」
秋になったらジビエの季節。肉屋には雉、鹿、イノシシ、野うさぎなどが並びます。ダゲール街は、パリの中でもおいしい通りの一つです。
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