【2012年 第9回 】 山陰人は長生き? ~地域:四国中国
キムラ ミキ
シルバーウィーク
9月の後半には、シルバーウィークが控えていますが、もうお出かけの予定は決めましたか?
夏にしっかりお出かけをしたから、シルバーウィークは自宅近隣でゆっくりと過ごすと考えていらっしゃる方も多いかもしれません。また、シルバーウィークの中には、敬老の日があります。両親とは異なる視点で、何かと気遣ってくれる祖父母へ感謝の意をこめて何か贈り物をしようかと考えています。
と、半ば強引ですが、今回は敬老の日にちなみ、「長生き」ということにスポットを当てて、お話をしてみようと思います。
山陰人の平均寿命は?
少し古いデータになりますが、平成17年に厚生労働省が都道府県別の平均寿命を発表したデータがありましたので、そのデータをまず見てみたいと思います。下のグラフは、昭和40年から平成12年における鳥取県、島根県の男女別の平均寿命の推移です。
両県とも、なだらかに男女ともに平均寿命は上昇しています。また順位と記してあるグラフは、47都道府県内で何番目に位置したかの推移を表したものです。グラフに起こしてみて興味深いと思ったことは、女性が長生きであるということ。男性は全国平均の数値前後を推移している一方、島根県の女性は昭和40年頃、全国平均と然程、開きがなかったものの、その後グイグイと順位を上げ、高順位で推移しています。一方、島根県ほどではないにしても、鳥取県でも女性の方が高順位で推移しています。
鳥取県在住の女性として、長生きできそうであるという調査結果は、リタイア後も人生を楽しむ時間がたくさんあると考えればありがたいのですが、理由はなんでしょう?
専業主婦の方が多いからでしょうか?いやいや、平成17年のデータによると鳥取県、島根県ともに女性就業率は5割近く、全国でも鳥取県は6位、島根県は15位と、働き者の女性が多いのです。もしかしたら、家事も育児も仕事もこなすから、体力がついて長生きするとか…でしょうか。もう少し、堀下げて考えてみましょうか。
健康寿命ってご存知ですか?
最近、目にするようになった健康寿命という言葉をご存知ですか?健康寿命とは、介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる期間を示すもの。厚生労働省が算出したデータによると、鳥取県の男性は70.04歳、島根県の男性は70.45歳。先ほどの平均寿命と比較すると、7年くらいは介護を受ける可能性があることを示唆しています。一方女性は、どうか。鳥取県の女性の健康寿命は73.24歳、島根県では74.64歳。先ほどの平均寿命と比較すると、なんと10年近く介護を受ける可能性を示唆しています。もしかしたら、先ほどの平均寿命は、元気はつらつのイメージではないかもしれません。
この健康寿命の算出結果がすべてではないと思いますが、この数年で一気に地元において、高齢者関連施設が、増加した背景が少しだけ見えた気がしました。
長生きすればいい?
自分自身がただただ延命する、という「長生き」のイメージを良しとする方は少ないでしょう。すばらしい景色をみたり、美味しいものに舌鼓をうったり、子ども孫との関わりから喜びを得たり、という楽しみがあってこその理想的な「長生き」であると私は考えます。そのためには、日ごろから、体力づくりや人のつながり作り、趣味作りなど、理想的な「長生き」に対する積み重ねをしていくことが大切なのだと強く感じます。
もちろんお金の準備も忘れずに!
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