【2012年 第10回 】 山陰の電話事情 ~地域:四国中国
キムラ ミキ
鳥取県の電話は糸電話ではありません
以前、某携帯電話会社のテレビCMで、鳥取県はまだ糸電話で話しているという内容が流れたことがありました。それを受けて話のネタに、糸電話風のスマートフォンの画像を作成する人もいて、楽しませてもらいましたが、当然ながら鳥取県にも携帯電話はあります(笑)
10年前頃のことを振り返りますと、年配の方が携帯を持っているという姿は、あまり日常風景として自分自身の目には映っていなかったように思います。しかし、今や、ここ山陰でも年齢を問わず、携帯電話は広く普及しているように感じるのは、ワタシの気のせいでしょうか。
山陰の携帯電話契約数
実際のトコロ、山陰の携帯電話の契約数はどれくらいあるのでしょうか。
総務省の調べによると、平成24年3月末現在、鳥取県で481,966件、島根県で580,032件となっており、人口に対する普及率は80%を超えます。ただ、最近は、スマートフォンと従来の携帯を2台持つ人も増えていますので、普及率が高い低いか、一概に判断を下すことはできないですが、山陰でも携帯電話契約数は年々増加しているのは事実です。
平成21年全国消費実態調査で、携帯電話の年齢別普及率を見てみますと、2人以上の世帯は74歳以下の世代では普及率が8割から9割となっていますし、単身世帯でも69歳以下で7割近くの普及率となっており、10年前の同調査結果と比較しても普及率は飛躍的に向上していることがわかります。
やはり、山陰における携帯電話契約が増加している理由には、今まで携帯電話を保有していなかった、年配の世代にも携帯電話が普及してきたことも、挙げられるでしょう。
携帯電話の利用状況
社団法人電気通信事業者協会が行った調査(テレコムデータブック統計年報 /第2章情報通信サービス利用状況)を見てみますと、平成21年に携帯電話で発着信した回数は、発信、着信回数ともに、島根県は、47都道府県中43位。鳥取県は堂々のワースト1位という結果が出ていました。年配の世代にも携帯電話が普及してきたと推測されるものの、もしかして使われていない、使いこなせていないという実態もあるのでは?と疑問が生まれました。
総務省の行っている家計調査(平成22年)の結果より、携帯電話の利用料金が該当する「移動電話通信料」の項目を見てみました。すると、中国ブロックは10ブロック中8位。また都道府県別(県庁所在地)で見てみますと、47都道府県中、島根県(松江市)は32位で、鳥取県(鳥取市)は47位。やはり、予想通りの下順位。携帯電話が普及してきたものの、使っていない、もしくは使いこなせていない年配の世代の方も多いのでは?という疑問は、あながち間違いではないかもしれません。
高齢社会の進行が色濃い地方においては、高齢者の一人世帯、夫婦のみ世帯も少なくありません。携帯電話は、コミニュケーションツールのひとつですが、年を重ねるにつれ、身体機能が低下してくると行動範囲も小さくなるため、近所での繋がりが保たれているのであれば、あえて携帯電話を利用してコミュニケーションを図らずとも足りるという構図もあると考えられます。
とはいえ、せっかく携帯電話を保有しているのであれば、その利便性を生活に取り入れて、さらに広いコミュニケーションをとることができれば、それに越したことはないですよね。
と、今回のデータを見て、ワタシは感じましたが、皆さんはどう考えますか?
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