【2012年 第9回 】敬老の日に思うこと ~九州・沖縄の平均寿命&傾向~ ~地域:九州・沖縄
瀬尾 由美子(セオ ユミコ)⇒プロフィール
9月に入り、日中は残暑が続いていますが、私の住む鹿児島市でも朝夕は暑さが和らぎ、夜になると泣き始める虫の音に、初秋の訪れを感じる今日この頃です。
さて、9月といえば17日は「敬老の日」です。そこで、今回は「敬老の日」つながりということで、九州・沖縄地方の平均寿命と傾向などについて、各種データを基に確認していきましょう。
「完全生命表」と「簡易生命表」の違い
「平成23年簡易生命表の概況」より
厚生労働省は、様々な統計を発表しています。その中で、寿命などに関する「結果の概要」で確認してみると、「完全生命表(基幹統計)」、「簡易生命表(基幹統計)」、「都道府県別生命表」などがあります。
さて、「完全生命表」と「簡易生命表」にはどのような違いがあるのでしょうか。
「第21回生命表(完全生命表)の概況」で確認してみると、「完全生命表」は、国勢調査による日本人人口(確定数)や人口動態統計(確定数)をもとに5年ごとに作成し、「簡易生命表」は、統計人口による日本人人口や人口動態統計月報年計(概数)をもとに毎年作成しているそうです。
つまり、毎年発表している「簡易生命表」は概数で、5年ごとに発表している「完全生命表」は確定数であり、「完全生命表」に基づいて「都道府県別生命表」が発表されていることになります。
平均寿命
最新の「平成23年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は79.44歳、女性の平均寿命は85.90歳となり、前年と比較して、男性で0.11歳、女性で0.40歳下回っています。下回った主な原因が、男性の場合は3月11日に発生した東日本大震災、女性の場合はその他に自殺も原因となっているようですが、悲しい現実ですね。
また、「都道府県別生命表」は、平成19年12月20日に発表されている「平成17年都道府県別生命表の概況」が最新のデータとなっています。
九州・沖縄地方のデータをまとめたものが図表1ですが、何といっても沖縄県の女性平均寿命が全国1位なのは素晴らしい!その他では、熊本県が男性も女性も高順位となっています。
また、全体的に男性も女性も順位が高めとなっているにもかかわらず、鹿児島県は男性43位、女性29位と全国平均より下位になっているのは意外でした。
「人口推計(平成23年10月1日現在)」より
また、総務省は、平成24年4月17日に「人口推計(平成23年10月1日現在)」を発表しています。
最新の統計データでは、平成23年10月1日現在の65歳以上の高齢者の人口および割合などを確認することができます。
65歳以上の高齢者の割合が、福岡県と沖縄県を除いた各県で全国平均の23.3%を上回っています。さらに、0~14歳の年少人口の割合を確認してみると、大分県を除いた各県で全国平均の13.1%を上回っています。特に、沖縄県の場合は全国1位となっているのは素晴らしいです!また、15~64歳の生産年齢人口については福岡県と沖縄県は全国平均を上回っていますが、その他の各県は全国平均を下回っています。特に、鹿児島県は60%を下回っている事に驚きました。
以上のデータから確認できることは、九州・沖縄地方の場合は、65歳以上の高齢者と0~14歳の年少人口の割合が多く、15~64歳の生産年齢人口が少ないということ。つまり、産業が少なく、県外に職場を求めて出て行く人が多いということでしょう。
長生きしたときの対策
わが家の場合も夫の母が88歳、私の母が86歳と平均寿命を超えて、まだまだ元気です。そんな2人の母親を見て感じることは、「心と体の健康に心掛けること」が一番大切だということです。
足腰を鍛えて、自分の足で歩き、寝たきりにならないよう心がけること。また、くよくよせず気持ちを明るく持ち、できるだけ笑って過ごすこと。そんな風に過ごすことができたら、いつもニコニコと良く笑い、どこでだれと暮らしても人生を楽しめることでしょう。
そんな余生を過ごすことができるよう、早速明日からお散歩を始めるとしましょう!
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