【2012年 第7回】最新ボーナス事情 地域:東京
岡本 典子 ⇒プロフィール
今年夏のボーナスを見ると、大震災のあった昨年より減少傾向。
消費に対しては慎重。貯金にまわす金額は上昇傾向です。
今回のボーナスは家族に、自分に、どんなサプライズプレゼントを? と考えるのは楽しいもの。
しかし、デフレで給与が上がらない現在、ボーナスは貴重な資金。
有効な使い方を考える絶好の機会です。
2012年夏のボーナスは、昨年より減少傾向
この夏のボーナス予測を見ていきます。
アンケート対象の採り方により、調査するシンクタンクごとにバラつきが出ていますが、全体としては昨年より減少傾向です。
楽天リサーチ株式会社のインターネット調査(20~69歳 会社員・公務員 男女1000人を対象)では、約7割が「この夏のボーナスは支給される予定」。支給見込み金額は「昨年と変わらない」が最多、「減りそう」が28.1%、「増えそう」が15.2%でした。
みずほ総合研究所の見通しでは、民間企業で平均361,312円(▲0.8%)、公務員で651,349円(▲1.4%)です。
都道府県別ボーナス額、1位は東京都
都道府県別年間ボーナス額を見ていきます。
平成21年度の数字ですが、厚生労働省賃金構造基本統計調査≪都道府県別給与額・賞与額≫によれば、賞与(ボーナス)額1位は東京都の1,217.4万円。給与額でも1位は東京都。
高給を得たいなら東京に!という根拠となっています。
ボーナス額の2位以下は、愛知県1,143.7万円、神奈川県1,029.3万円、大阪府、千葉県と、3大都市圏が上位に軒を連ねています。
ボーナスを受け取っている人数は3,679万人だそうですが、自営業者から見ると、金額の多寡は別とし、羨ましい限りです。
もらってうれしいボーナス、次はその使い道を見ていきます。
ボーナスの使い道、1位は貯蓄!
上述の楽天リサーチ株式会社インターネット調査(複数回答)によるボーナスの使い道は
1位:貯蓄(38.2%)
2位:ローン・借金返済(23.9%)
3位:まだ決まっていない(22.9%)
4位:生活費の補填:(20.8%)
5位:買い物(20.6%)
6位:旅行・レジャー(19.8%)
7位:子どもの習い事・教育費(9.0%)
8位:飲食・グルメ(7.2%)
9位:投資・資産運用(6.6%)
10位:車検(5.0%)
これを見る限り、消費マインドは冷え込んでいます。
消費税増税が叫ばれる中、将来の失業や収入減、老後の不安に備えての貯蓄や、ローンの返済など、納得のいく回答です。
ボーナスで購入予定は?
さて、5位に入った「買い物」、何を購入する予定なのか、という質問には
1位:洋服・ファッション関連(45.7%)…圧倒的多数!
2位:パソコン・周辺機器(15.7%)
3位:スポーツ用品・アウトドア用品(15.0%)
4位:時計・アクセサリー・ブランド品(10.7%)
5位:ブルーレイ、DVDプレーヤー、DVDレコーダー(8.5%)
5位:家具・インテリア(8.6%)
7位:カメラ・周辺機器(7.9%)
7位:携帯電話・スマートフォン(7.9%)
9位:エアコン、扇風機、調理家電、自動車、バイク(全て6.4%)
インターネット調査なので、若い人の回答が多いように見受けられます。
また、電通総研による『消費気分調査』では、国内旅行、贅沢な外食、LED電球、海外旅行、ベッドや布団に敷く冷却マット、住宅リフォーム、扇風機などが挙げられていて、夏の電力不足やエコを意識した消費に、時代の流れを感じます。
ボーナスは、金融機関に<旅に出す!>
上記目的別使い道の圧倒的第1位は「貯蓄」でした。
その預け先を考えてみます。
・通常よりちょっと高めの「ボーナス金利」を掲げた身近な金融機関へ。
引出しに行く時の交通費もバカになりませんから。
しかし、高金利期間が数カ月と短い点には注意が必要です。
・一般的に金利が高い、期間が短めのネット定期へ。
・会社が財形制度を採用していて、住宅財形、年金財形を利用している方はそちらへ。
・使い道金額で1位のローン返済、これは有効な資産運用の1つです。貯蓄で得られる金利より支払うローン金利の方が高いケースが多いので、無駄な金利の支払いを減らすことができます。
各々の状況により、使い勝手のいい預け入れ先に、ボーナスを「旅」に出し、確実に利息をつけ、必要な時に、利息ともども戻ってきてもらいましょう。
銀座、道玄坂での買い物風景
使い道の1位は洋服、ファッション関連でしたが、6月下旬、仕事の帰りに銀座、渋谷道玄坂、新宿南口に立ち寄りました。
銀座通りに面する、照明のまぶしいユニクロ、g.u.(ジーユー)を横目に通りすぎ、向かい側のフォーエバー21をのぞいてみました。「おぅ、安い!」 以前アメリカから原宿に上陸した時、明るいカラーと低価格に驚きましたが、銀座でもこれだけ安いことに再度仰天。作りっ切り売りっ切り方式のファストファッションは、不況の日本でも存在感があります。
その後、晴海通りのGAPへ。こちらもアメリカ産だが、少し価格帯が上。その分しっかりしている。全品20%OFFで混み合っていました。携帯登録すると25%OFFとか。
渋谷の東急本店に用があり、道玄坂を登りました。同じくファストファッションのH&Mはバーゲン中とあって、世界中の人でごった返していました。モノによっては500円とかで、レジは大行列。店内がバリアフリーではない点が気になりました。
新宿はバーゲン前とあって、ルミネ、ミロードとも混雑はなく、いつも並みでした。
なぜか、東京バーゲン情報となりましたが、ボーナスでこの夏のファッションを楽しみたいという女性・男性が闊歩する風景は、6月末~7月上旬の社会現象の一つといえるでしょう。
この記事へのコメントはありません。