【2013年 第1回 注文住宅の強みを知る】
注文住宅を建てたい人のための、知って得するマメ知識12
奥田 知典(オクダ トモノリ) ⇒ プロフィール
住宅専門FPからみた、注文住宅の強みを、マンション、建売、中古住宅、中古マンションと比較もまじえつつ、お伝えします。
皆さま、新年あけましておめでとうございます。2013年は、いつも以上に良い年になるといいですね!
さて、今年もケース別コラムを担当させていただくこととなりました、奥田知典です。昨年は住宅ローンを活用した、家づくりや借換えの成功例をお伝えしてまいりましたが、2013年はズバリ!【注文住宅を建てたい人のための、知って得するマメ知識12】と題し、注文住宅を検討している方に向けて、実例をふまえた、よりリアルなマメ知識をお伝えしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
□注文住宅って何?
さて、冒頭より「注文住宅」という言葉を使っておりますが、ひょっとしたら耳馴染みが薄い方もおられるかもしれませんね。まず「注文住宅」とは何か、というところから話をすすめてまいりましょう。
「注文住宅」とは、間取りや外観、基礎、柱や屋根、壁に使う素材、キッチン等の設備、配線配管や照明、お風呂やトイレの仕様まで、とにかく一から十まで全て、施主が設計士等と話し合いながら、内容を決め、作っていく住宅のことをいいます。地場工務店、設計事務所での家づくりは、ほぼこの「注文住宅」です。
それに対し、「企画住宅」というのは、内装や設備、外観等をある程度のパターンから選び、組み合わせていく住宅。年間数百棟を建築するプレハブ系大手ハウスメーカーや、パワービルダー等がこれに該当します。ある程度設計や設備、仕様をパターン化することで、施主にとっては選びやすく、わかりやすい家づくりが可能となり、また施工する側も品質を維持しながら、無駄を省き、利益率を高めることができます。
「注文住宅」と「企画住宅」の違いは、紳士服における、フルオーダーと、イージーオーダーの違いのようなものといえば、ある程度イメージしていただけるのではないかと思います。
□注文住宅の強みとは
さて、ひとくちに住宅といっても幅広い選択肢があります。先述の「注文住宅」「企画住宅」に加え、それ以外にも中古住宅や、新築・中古マンション、建売住宅等もあります。そのなかで、注文住宅ならではの強みについて考えてみると、私は以下の点で強みがあると考えます。
<注文住宅の強み>
① 世界でひとつだけの、オリジナルな家づくりが可能
⇒まず、注文住宅最大の特徴は、世界でひとつだけの、オリジナルな家づくりが可能であるということです。マンションや建売住宅とは異なり、同じ形状の家が2つとありません。自分と家族のライフスタイルにあった、こだわりの家づくりを実現するには、注文住宅で一から創り上げていくことがふさわしいと言えます。
加えて、注文住宅は土地の形状を選びません。これは意外に見落としがちなのですが、企画住宅の場合、土地の形状によってはそもそも建築が難しいことがあります。また、土地の形状が良くても、その建築地に向かうまでの道路が狭い場合、重機が通らない等の理由で建築できないこともあります。その点もあわせて、おさえておきましょう。
② 土地付きなので、資産価値が目減りしにくい
⇒こちらはまず、マンションと戸建ての違い、という観点となりますが、やはり土地があるぶんだけ、将来の資産価値は残りやすいといえます。マンションの場合、土地は区分所有であり、また共有部分もあるため、長期的な視野でみた場合、よほどの好立地、人気物件でない限り、資産価値はある程度目減りすると言わざるをえません(賃貸物件として活用する場合は、この限りではありませんが…)。やはり、土地付き戸建ての方が資産価値としては目減りしにくいといえます。
また、マンションは購入後も、管理費、駐車場代、修繕積立の維持費が必要です。土地付き戸建住宅における、今後の太陽光発電の普及効果も考慮すると、毎月のランニングコスト面でも、土地付き戸建ての付加価値はより一層高まると推測されます。
③ パッシブデザインを取り入れた、より環境にやさしい家づくりが可能
⇒注文住宅の場合、先述のとおり、土地の形状を選びません。また、土地に対する位置関係も、自由に設定できます。特にここ最近は、環境にやさしい家づくり、できるだけエネルギーを消費しない家づくりがスタンダードとなっており、太陽の角度や通風の流れを計算したうえで、建物の配置を決めるパッシブデザインを取り入れる会社が増えています。そのような家づくりを求める方には、注文住宅のほうがより適しているといえるでしょう。
もちろん、大手ハウスメーカー、パワービルダーとも、こぞってパッシブデザインの発想を取り入れていますが、その取り入れ方、考え方には差があります。この点は次回以降、お話できればと思います。
この記事へのコメントはありません。