【2012年 第6回】人生で、1番高い買い物は“家” – 大学生のためのパーソナル・ファイナンス
横川 由理(ヨコカワ ユリ)⇒プロフィール
「ファイナンス」というと、金融機関や金融政策を思い浮かべてしまいます。「パーソナル・ファイナンス」は、個人の家計を中心としたお金の流れについて考えていきます。
家は、切っても切り離すことはできない
生活をしていく上で、最も高い買い物である「家」を考えてみましょう。
大学生の皆さんは、両親と一緒に住んでいるか、仕送りをしてもらって一人暮らしをしているかのどちらかだと思います。
でも、将来は自分で家を借りるなり、買うなりしなければなりません。
借りて住むにしても、買って住むにしても、私たちの生活と家は、切っても切り離すことはできません。
これから先、ライフプランを考える上で、家をどうするのかということは、とても大切なこととなります。
家は買って住むという考え方のほうが、主流かもしれません。
その場合は、少しでも有利に手に入れたいものです。有利ということは、すてきな家を適正な値段で手に入れることであったり、上手に住宅ローンを組むことでもあります。
2種類の住宅ローン
住宅ローンの組み方には、2種類あります。
実は、同じ金額を、同じ金利で、同じ期間、借りたとしても、
住宅ローンの種類によって、返済金額が何百万円も違ってしまいますから注意をしなければなりません。
1つ目は「元利均等返済」です。ローンを組んだときから、最後まで返済金額は変わりません。
2つ目の「元金均等返済」は、住宅ローンを組んだばかりの返済金額は高く、時の経過とともに減っていくというしくみとなっています。
たとえば、3000万円を30年間、3%で借りたとしましょう。
「元利均等返済」と「元金均等返済」の返済額では、200万円もの差がついてしまいます。
「元利均等返済」の総返済額は、約4550万円。
「元金均等返済」の総返済額は、約4350万円。
このケースでは、「元金均等返済」の方が、総返済額が少なくなります。
こういったことは、銀行や住宅メーカーに聞いてもだめですよ。
なぜなら住宅ローンを組ませたり、家を買ってもらうというお仕事だからです。
もしかしたら、お客様にとって有利なものよりも、自分にとってもうかるものを販売する可能性だってあるかもしれません。
自分にとってよい住宅ローンというのは、自分にしか考えることができません。
そのためにも、住宅ローンの知識は、とても大切だということが、おわかりいただけたのではないしょうか。
しかし、全国には一戸建ての空き家が233万戸もあるそうです。
中には、老朽化で住めない家もあるかもしれません。
これからさらに、少子化が進んで空き家が多くなる可能性は高くなるでしょう。
家が余ってくるということは、家賃は安くなる可能性があります。
皆さんが家を買おうと思うときは、これから10年、15年以上あとのことになるでしょう。
そのときの状況に応じて、様々なことを自分で判断できるようにパーソナル・ファイナンスの知識を身につけていただきたいものです。
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