【2012年 第7回】人生2番目に高いものは“保険” – 大学生のためのパーソナル・ファイナンス
横川 由理(ヨコカワ ユリ)⇒プロフィール
「家が高いのはわかるけど、なぜ、保険が人生で2番目に高いの?」それは、1ヵ月で考えると、払えない金額ではないけれど、一生を通じて払う金額を考えると、1000万円を超えるケースもあるのからなのよ。
生命保険に加入する理由
保険は、主に死亡した場合などに保険金を受け取るものです。どうして、保険に入る必要があるのでしょうか。それは、もしも自分の貯蓄では足りない物ごとが起こったときに備える必要があるからです。
保険といっても、人の死亡に対して保険金が支払われるものと、火災保険のように物に対して保険金が支払われるものとがあります。一般的に、人の命を保障する保険を生命保険。物の損害などを補償する保険を損害保険といって区別しています。
生命保険に加入する理由として、一家の稼ぎ手であるお父さんが死亡した場合を考えてみましょう。残された妻と子どもは、生活に困ってしまいかねません。もちろん、遺族年金を受け取れるケースもあります。しかし、それほど多くの金額を受け取れるわけではなく、場合によっては受け取れないケースもあるわけです。
そんなときに備えて、生命保険に加入をします。生命保険には、遺された家族の生活資金を補うという意味合いがあるのです。
保険料は?
では、実際に保険に入るとなると、どのくらいの保険料を支払っていくのでしょうか?
もちろん、保険会社によって異なりますし、その人の状況に応じても大きく違ってしまいます。たとえば、タバコを吸う人と吸わない人の保険料は、大きな差が設けられています。
タバコを吸う人の死亡率は、吸わない人に比べると高いものです。さらに、健康状態が優良な人と普通の人であっても、病気にかかって死亡する可能性には違いがあるものです。そんな死亡率の違いが保険料に反映されているわけです。
死亡する可能性の高い人からは、保険料をたくさんいただきましょう。死亡する可能性の低い人は、それほど多くの保険料をいただかなくともよいでしょう。という考え方です。
下の図をご覧ください。これは、実際に販売されている保険の一例です。30歳の男性が60歳までの30年間、定期保険に加入してものとして、保険料を比べてみました。
定期保険とは、保障する期間が定められているものです。この30年間に死亡した場合は、3000万円の保険金を受け取ることができますが、反対に死亡しなかった場合には、1円も保険金を受け取ることはできません。いわゆる掛捨て型の保険です。
タバコを吸わない優良体の人は、30年間で170万円の保険料を支払います。一方、標準体の人の場合は、380万円。同じ保険に加入したとしても、210万円の差がついてしまいます。驚きですね。
1ヵ月あたりの保険料で考えると、そう高くは感じませんが、30年間という長い期間でみるとこんなにも大きな金額になってしまうのです。
さらに入院をしたときに備えて、「医療保険に加入しよう。ガンになったときに備えてガン保険に加入しよう。夫婦そろって加入しよう」
もし、月に2万円の保険料を払うと、30年間では720万円。720万円も支払うとなると、人生で2番目に高い買い物になるというのが、おわかりいただけるのではないでしょうか。
そのほか、自動車保険、火災保険、地震保険などを合わせるとさらに高額となります。
ファイナンシャルプランニングでは、保険を一つの大きな分野として、詳しく勉強をしていきます。必要な保険に必要なだけ加入するという賢さを身につけていきましょう。
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