【2013年 第2回 お金を借りると金利を払う】大学生のためのパーソナル・ファイナンス
横川 由理(ヨコカワ ユリ)⇒ プロフィール
電車の広告を眺めてみると、きれいなお姉さんがにっこり笑って消費者金融の宣伝をしています。お金に困ったら消費者金融にお金を借りてもよいですか?
消費者金融でお金を借りる
TVコマーシャルで有名な芸能人が「10万円借りて、1ヵ月の利息はコイン3枚(1,500円)」といっていましたが、消費者金融でお金を借りてもよいですか?
たしかに、10万円借りて利息が1,500円というと、安いというイメージを持つかもしれません。
でも、1,500円というのは「1ヵ月間だけの利息」だということに注意が必要です。
1年間借りていると、利息は1万8,000円にも達してしまうんですよ!
金利は18%です。
10万円×18%=1万8,000円 ⇒ 1年分の利息
1万8,000円÷12ヵ月=1,500円 ⇒ 1ヵ月分の利息
というわけですね。
お金の貸し借り料を利息といいます。
お金を借りると利息を支払い、お金を貸すと利息を受け取ることができます。
お金を借りる人は、利息は低ければ低いほどうれしいですよね。
反対に、お金を貸す人はなるべく金利は高くしてほしいと思うものです。
利息が高いほうがよいのか、低いほうがよいのかは立場によって変わってくることが分かると思います。
社会人になるとお金を借りる必要性も生じてきますが、大人は一部の人を除いて消費者金融からはお金を借りません。
通常は、銀行からお金を借ります。
・住宅ローン
・教育ローン
・自動車ローン
など借金はごく限られます。
家は別として、そもそも物を買うときには、ローンを組まずにすむような資金計画を立てていく必要があるのです。
何年後かに出費する予定があるのなら、その目標に向かって資金計画を立てていきましょうね。
急にお金が必要になるわけではないんですよ。
ファイナンシャルプランナーの柱となる科目が「ライフプランニングと資金計画」。
この科目で、ライフプランを立てて、お金を貯めていく計画を立てていくことを学びます。
また、さすがに自分は消費者金融でお金を借りないだろうと思っている人であっても、クレジットカードを利用する人は多いもの。
実は、クレジットカードのキャッシング機能や分割払いを利用すると消費者金融並みの利息を払うことをご存知でしょうか。
クレジットカードは一括払いなら利息はかかりませんが、分割払いにすることによって、
15%も利息がかかるんですよ。
驚きですね。
特にリボルビング(リボ)払いに注意が必要です。
リボルビング払いとは通称、リボ払いといいます。これは、今後クレジット会社に返済しなければならない金額に応じて、月々あらかじめ決められた額をクレジット会社に支払う方法をいいます。
たとえば、10万円の洋服を買ったとしましょう。もちろんそんな大金は払えません。迷わずリボルビング払いを選択。1ヵ月に1万円ずつ返済することにしました。
15%の利率でお買い物をすると、返済額のトータルは約10万7000円となってしまいます。つまり、この7000円がリボ払いの利息ですね。
翌月、「洋服にぴったりのバッグがほしい」10万円。翌々月、今度は靴を10万円で買いました。もちろん全部リボ払いです。
月々の返済額を1万円に設定した場合、合計30万円の買物をしたとしても返済額は1万円なんです。でもリボ払いは、普通の借金とは異なり、最初の買物の支払残高があるかぎり次の買物の返済はしません。
つまり、洋服の返済が終わるまでの約11ヵ月はバッグと靴の返済が始まりません。15%の利率では、1年で利息は1万5000円でしたね。バッグの金額は12万円を超えてしまいます。さらに、靴は買ってから約3年後に返済が始まりますから、14万円近く支払うことに!
リボ払いはずっと支払いが続くため、どの商品の支払いが終わったのか分かりづらい面があります。無計画に利用すると支払残高が増え、破産してしまうことも。
このように1ヵ月単位で考えると、利息の負担は軽いと思っても長い期間で考えると重くなっていくのです。
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