【2013年 第3回 いる保険といらない保険。賢く考える5つの方法】大学生のためのパーソナル・ファイナンス
横川 由理(ヨコカワ ユリ)⇒ プロフィール
「社会人になったらすべてに責任が生じてくるから保険にも入った方がいいわ」といわれましたが、賢く考える方法を教えてください。
社会人になると責任が生じてくるのは事実。でも、保険といっても、自動車保険や生命保険。そして医療保険など様々な種類の商品があります。自動車保険は必ず入ってほしいものですが、生命保険は基本的に死亡に備えるもの。配偶者や子どもがいなければ、加入する必要はありません。
①自動車保険
自動車保険には、自賠責保険と任意の自動車保険の2種類があります。このうち自賠責保険は加入が義務づけられています。自動車やバイクは必ず自賠責保険に加入しなければなりません。
一方、任意の自動車保険は加入が義務づけられているわけではありません。しかし、義務でないからといって、加入しないのはNG。
なぜなら、もし事故を起こした場合、自賠責保険の補償だけでは十分ではないからです。
たとえば、相手の車を壊してしまったときや、他人の住宅に突っ込んでしまったというケースもあるかもしれません。実は自賠責保険からは、1円も保険金が出ないのをご存知でしょうか?
そう自賠責保険は、人に対する事故にしか対応していません。さらに死亡は3000万円。治療費は120万円が上限です。通常の場合、この金額では足らないことがほとんどです。
②自転車保険&個人賠償責任保険(特約)
歩道を猛スピードで走る自転車にコワい思いをした経験は1度や2度ではないはず。携帯を操作しながらのマナー違反も目にします。
自動車は保険に加入することが一般的ですが、自転車を購入したからといって保険に入るというケースはほとんど聞いたことがありません。
自転車事故であっても、ぶつかった相手が死亡してしまうというケースがあることをご存知でしょうか。多額の賠償金を、一生涯にわたって払っていかなければならないこともありえるのです。
自転車の事故に備える場合は、自転車保険や個人賠償責任保険に入っておくと安心でしょう。個人賠償責任保険は、火災保険や自動車保険の特約としてセットすることで加入することが可能です。
自転車の事故だけに限らず、誤って他人の物を壊してしまったりケガをさせてしまったりしたときに保険金が支払われます。さらに飼い犬が他人にかみついてケガをさせたというケースであっても保険金が支払われます。
自動車保険や個人賠償責任保険など、貯蓄では対処できない大きなリスクに対しては、保険に加入して備えておくべきでしょう。
③生命保険
一方、生命保険は人の死亡に対して保険金を払うという商品です。
独身の間はそう大きな保険は必要ないという考え方が一般的で、保険に入らないという考え方でもよいかもしれません。結婚をきっかけに保険に加入する人が多いようです。子どもが生まれると、さらに保障額を大きくしていくとよいでしょう。
④医療保険
医療保険は、ケガや病気での入院や手術に備える商品です。
死亡よりも入院する可能性の方が高いものですが、必ずしも加入する必要はありません。入院時の費用は貯蓄から支払うという方法でもよいでしょう。
医療保険は一生涯では100万円ぐらいの金額を支払いますが、100万円分の入院をすることはまずないといってよいでしょう。配偶者や子どもがいるというケースは別にして、ある程度の貯蓄は常に行っていくことが大切となります。
⑤がん保険
日本人の死亡原因の第1位はがん。そう聞くと、ついがん保険に加入したいと思うかもしれません。たしかにがんにかかる可能性というのは、ゼロではありません。しかし、がん保険に入りたいと考えている人でなければ、やはり貯蓄を行ったほうがよいでしょう。貯蓄というのはいざという時に自由に使うことができるお金です。
一方、保険は掛捨て型が一般的ですから、いざお金に困ったといっても場合であっても、自分のお金が貯まっているわけではありません。
ご自分の生活や家族の状況に応じている保険、いらない保険というのが決まってくるということを考えて賢く生活していきましょう。
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