「子ども子育て白書」から読み取る結婚 環境【2012年 第6回】

【2012年 第6回】「子ども子育て白書」から読み取る結婚 環境 エリア別コラム – 地域:北海道東北

恩田 雅之(オンダ マサユキ)⇒プロフィール

結婚環境にもデフレの影響がでているようです。名目賃金が上昇すれば、婚姻件数も上昇するかも知れません。北海道の結婚式は本州とは少し違います。

 

 

 

 

出生率と婚姻件数の推移

厚生労働省の「人口動態調査」から出生率と婚姻関係の推移をみると以下のようなグラフになります。婚姻件数は、1978年以降70万組を前後して推移しています。出生率の減少に比べて変動が少ない傾向にあります。

 

 

 

 

 

 

晩婚化の進行

内閣府の「子ども子育て白書」(以下 白書)によると、2010年の平均初婚年齢は、夫30.5歳、妻が28.8歳で上昇を続けているそうです。1975年と比べると、夫(27.0歳)が3.5歳、妻(24.7歳)が4.1歳と平均初婚年齢が上昇しているそうです。
晩婚化の進行が婚姻件数の変動を抑えているのかも知れません。

非婚化の進行

上のグラフにあるように、1978年以降の結婚件数は、年間70組台で推移しています。
未婚率については、2005年の総務省「国勢調査」のデータで以下のような結果が出ています。

 

 

 

また、生涯未婚率は、男性が15.96%、女性が7.25%になります。 但し、結婚に対する意識調査では、「将来結婚したいと考えている人」が男性で約83%、女性で約90%と高い数字が出ています。

結婚への不安

未婚率と結婚に対する意識調査の乖離はどこにあるのか、白書では「結婚生活を送る上での不安について」アンケート調査をしています。
男性の最も多かった回答は、「経済的に十分な生活ができるかどうか」、女性は「配偶者の親族とのつきあい」でした。

以下、男性は「配偶者と心が通わなくなる」、「配偶者の親族とのつきあい」、「自分の自由な時間がとれなくなる」の順になり、女性は「配偶者と心が通わなくなる」、「配偶者や自分の親の介護」、「出産・子育て」の順になりました。

男性が収入、女性は結婚した後の環境に不安があるようです。
内閣府が実施した「結婚・家族形成に関する調査」によると、既婚者の男性(20代、30代)の割合を年収でみると、300万円未満8~10%、300万円以上が25%~40%と300万円を境に大きく違っていました。

長引くデフレの影響で名目賃金が増えないやパート、アルバイトなどの非正規社員の増加が、結婚に晩婚化、非婚化を進行させる大きな要因になっていると考えられます。

結婚式における北海道の特色

北海道の結婚式の特色は、「大人数」、「会費制」、「発起人が主導」の3つになるかと思います。

ゼクシィ北海道の「結婚トレンド調査2011」によりますと、披露宴・披露パーティの招待客の平均人数は減少傾向にあるようです。
2005年の102.5人から2011年は88.9人に減少しました。但し、内訳を見ますと、160人以上招待した割合が7.3%(2005年は13.9%)あり、九州の7.5%には僅かに及びませんが、他の地域を大きく引き離しています。

「会費制」と招待客数は相関関係にあるようです。招待客の減少が、1人あたりの費用は上昇傾向に繋がっているように思います。
下の表は北海道の招待客数と1人当たりの披露宴・披露パーティ費用の推移です。

 

 

 

しかし、他の地域からみますと、

 

 

 

 

 

 

かなり費用が抑えられており、これは「大人数」と「会費制」の影響かと考えます。
もう一つの北海道の特徴として、披露宴、披露パーティのプログラムや内容を仕切る「発起人」の存在があります。新郎新婦の親しい友人がなるケースが多いようです。

因みに、私の結婚式は新郎側が「招待制」、新婦側が「会費制」で行い、発起人も立てず自分たちで式場、披露宴会場、料理、引き出物を選びましたので、北海道ではレアなケースです。

また、結婚費用に関して、親・親族の援助が少ないのも北海道の特徴かも知れません。

 

 

 

 

 

 


このように、北海道の結婚式の特色は、あまり背伸びをせず「会費制」、「大人数」で楽しく、リーズナブルに挙式・披露宴を挙げることかと思います。

 

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