【2012年 第7回】「毎月勤労統計」から読み取るボーナス の推移 エリア別コラム – 地域:北海道東北
恩田 雅之(オンダ マサユキ)⇒プロフィール
6月26日の消費増税法法案の衆議院可決の影響もあるのか、夏のボーナスをどう使うかというアンケートでは「貯蓄」と回答した人の割合が多かったようです。
今回のコラムでは、厚生労働省が発表しています「毎月勤労統計」の特別給与の額を参考に「ボーナス」についてみていきます。
夏のボーナスについては、企業や地域により6月と7月に支給時期が分かれているため、12月の特別給与(ボーナス)を使っています。
製造業が少ない北海道
以下の表は、全国と北海道の事業所規模別の常用労働者(千人)を比較したものです。5人以上の数字から30人以上を抽出したのが30人以上の数字になります。
この表から全事業所に占める製造業の割合を、全国と北海道で比較してみます。
5人以上では、全国が18.49%、北海道が11.99%になります。
30人以上では、全国が23.88%、北海道が14.01%になります。
全国に比較すると、5人以上で6.5ポイント、30人以上で9.87ポイント低くなります。
全国的には非製造業に比べて多い製造業のボーナスだが?
次に、12月の特別給与(ボーナス)の全国平均と北海道を比較してみます。単位は(円)。全国的には、事業規模が大きくなるほどボーナスの支給額が増え、全事業所平均の支給額よりも製造業の支給額が多い傾向があります。
北海道も事業規模が大きくなるほどボーナスの支給額が増える傾向は、全国平均と同じですが、製造業のボーナス支給額をみると、北海道の全事業所平均を下回っていることがわかります。事業所規模5人以上で比較すると製造業が31,934円、30人以上では29,596円、全事業所平均を下回っています。
過去3年間のボーナス金額の推移
2009年から2011年の3年間のボーナス金額の推移を全国でみてみますと、全事業の事業規模5人以上では、2010年に前年よりマイナスになっていますが、それ以外の全事業の事業規模30人以上及び製造業では、前年よりプラスで推移しています。
北海道は、全事業の事業規模5人以上のボーナス金額は、年々マイナスになっています。また事業規模30人以上では2010年が前年に比べマイナスでした。製造業については、全国平均と同様に、前年よりプラスで推移しています。
ボーナス支給後の札幌地区の繁華は
札幌の繁華街は、札幌駅周辺と大通りに集中しています。先週から今週にかけて各デパートが夏物のバーゲンセールを始めていることもあり、店の中も外も人が溢れ、大きな紙袋を持っている人も多く見受けられ、札幌地区の繁華街には活気がありました。
札幌市民は、消費に関して積極的な印象を持ちました。
貯蓄から消費へ流れを作るには
このコラム冒頭で触れましたが、今回の夏のボーナスの使い道として「貯蓄」が最も多いというアンケート結果がでました。将来的に消費税が上がることや将来に対しての漠然とした不安が「貯蓄」を選択する動機になっていると思います。
必要以上に「貯蓄」をしないためには、「知足(足るを知る)」という考えが有効かと、思います。
「知足」という考えは、いっけん、消費をしないような考え方に思えますが、「足るを知る」ことで、将来の漠然とした不安を解消できれば、人生を豊かにする適度な消費ができるように思います。
「足るを知る」ために、ライフイベン表やキャッシュ・フォロー表などライフプランを作成するためのツールが有効に機能することでしょう。
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