【2012年 第7回】「夏のボーナス」 夏のボーナスシーズンが到来しました
浅川 陽子(アサカワ ヨウコ)⇒プロフィール
夏のボーナスシーズンが到来しました。景気や企業業績を反映してか、全体としては昨年に比べて減る傾向にあるようです。
今年の夏のボーナスの予想に関する調査を見ても、昨年と比べて「横ばい」と答える人の割合はだいたい変わらず、「増える」と予想する人の割合は下がり、「減少する」と答える人の割合はやや上がっているといわれています。
<公務員のボーナスに異変!?>
先日、国家公務員にボーナスが支給されましたが、今年成立した「公務員給与削減法」の影響で、削減率は過去最高の9.2%減で、管理職を除く一般行政職(平均年齢35.8歳)の支給額は平均51万3000円(5万8000円減)、特別職の最高額は、衆参両議院議長の384万円、首相への支給額は325万円(151万円減)になりました。
神奈川県内の公務員へのボーナスも支給され、県職員の平均支給額(平均年齢43.4歳)は約76万円、横浜市職員の平均支給額(平均年齢42.8歳)は約79万円とのことです。神奈川県知事への支給額は県の財政状況から15%カットの229万円、横浜市長と川崎市長は前年同額でそれぞれ369万円、278、万円、相模原市長は10%カットの209万円となったそうです。
ちなみに東京都知事への支給額は10%カットの311万円とのことです。横浜市長の支給額が首相よりも多いのには驚きましたが、自治体の財政状況等で、自治体の長のボーナスにも異変が生じているようで、大阪市の橋下市長への支給額205万円は、据え置かれた市議会議員の支給額を下回るという事態まで起きているようです。
<民間のボーナスはまだまだ厳しい>
民間のボーナスは、2011年度の企業収益の落ち込みや、景気の先行き不透明感から、全体として前年割れを予想する声が多く、過去最低水準になるかもしれないという予想も出ていました。日本総研によれば、民間企業のボーナス平均は35万円4千円で昨年比2.7%減の予想になっており、神奈川県のシンクタンクの浜銀総研の調査でも、神奈川県下の今年の夏の民間企業の支給額は、0.9%減の約47万円の予測が出されています。
ボーナスの使い道と言えば、「貯蓄」、「レジャー」「生活費の補てん」「ローン返済」がよくあげられますが、今年は、ボーナスの支給金額の厳しさも影響してか、いくつかの「ボーナスの使い道」調査でも、「貯蓄」すると回答した人の割合が6~8割と例年以上に高い割合になっていて、生活防衛の意識もさらに高くなっていると言えそうです。
一方、ボーナスの使い道では「国内旅行」がトップに上がっています。東日本大震災の影響で昨年は遠出の旅行を控えていた反動から、今年は旅行に繰り出す人が増えそうです。また、円高の影響もあって、今夏の海外旅行者数は過去最高の350万人を超えそうだといわれています。
<ボーナスとライフプラン>
ボーナスは生活給といわれることもありましたが、最近は、景気や経済環境の悪化等で大きく変動する場合がありますので、ライフプランを考えるにあたっては、このボーナスをあてにした計画を立てることはあまりおすすめできません。
住宅ローンの返済なども、ボーナス時返済の割合を高くすることには注意が必要です。また、毎月の家計の赤字をボーナスで埋めているという場合は、家計自体を見直すべきでしょう。ボーナスはあくまでも臨時収入と位置付けて使い道を考えてみましょう。
この記事へのコメントはありません。