フリーターにさせないためにはどうすればよいのか?【2013年 第7回】

【2013年 第7回 フリーターにさせないためにはどうすればよいのか?】
”フリーター”親子のライフプラン、キャリアプランへの影響

岡田 佳久(オカダ ヨシヒサ)⇒ プロフィール

第1回目のコラムでお話しましたが、フリーターになるパターンは、「就職活動を行ったが、就職先が決まらなかった」、「学校を卒業後、就職をしたが、早期離職をしたために、次の就職先が見つからなかった」の2つです。そこで、今回はフリーターになるのを防ぐためのポイントをお話しします。

 

■(就職活動)社会人として経験がある者として、何らかのサポートが必要

大学生の就職活動の状況は、リーマンショックの時と比べると改善はされていますが、まだまだ厳しい状況です。
そして、お子様にとっては、初めての就職活動です。学校やお子様に任せっぱなしにするのではなく、社会人として経験がある者として、お子様に対して何らかのサポートができる筈です。ただし、昔の就職活動の状況とは違っていますので、その辺りの知識を知っておく必要があります。
お子様を過保護にするのではありません。あくまで、就職活動の主役は“お子様”です。そして、間違えても、お子様の就職活動の足を引っ張ることのないようにしてください。
例えば、なかなか内定が得られない時に、やる気を阻害するような言葉をかけたり、態度で示したりすることです。そのことで、お子様の気持ちが切れてしまうことがあります。
また、最近の大学生は特に「大手志向」が強いと言われています。大手志向が悪いわけではありませんが、親がお子様に対して、「大手志向」を植え付けているケースも多いのです。大手企業(有名企業)の採用状況では、競争倍率が100倍を超えることも珍しくはありません。そのような状況の中で、たとえ大手企業(有名企業)を何十社と受けても、内定が得られないことは珍しいことではありません。日本国内には優秀な中堅・中小企業が数多くあります。したがって、中堅・中小企業に目を向けさせるように促すことも重要です。
そして、時にはお子様のお尻を叩くことも必要です。間違えても、「そんなに就職活動が厳しいのであれば、別にフリーターでもいいよ!」といったような言葉をかけたり、考えたりしないようにしてください。お子様は、その言葉で「フリーターでもいいのでは?」と思うでしょう。
フリーターになるデメリットはこれまでのコラムでお話ししてきた通りです。確かに、最近は正社員のメリットも薄れつつありますが、お子様が今後、社会において何十年も生活していかなければならない状況の中で、正社員とフリーターとではどちらがいいでしょうか?
あと、就職が決まらなかったので、「大学院に進学する」、または「来年度も新卒者として就職活動を継続するためにあえて留年する」といった、いわゆる“就職留年”を選択する方も増えてきています。デメリットをハッキリと伝える必要も、親の役割とは言えないかもしれませんが、そのデメリットをお子様が理解していない場合、伝える必要があります。

■お子様が会社を“辞めたい”と言った時に・・・

就職先が無事に決まれば、その後は“安心”という訳ではありません。フリーターになるもう一つのパターンとして、「学校を卒業後、就職をしたが、早期離職をしたために、次の就職先が見つからなかった」が挙げられます。
ご存知の方も多いとは思いますが、高卒の新入社員が3年以内に退職する割合は約50%とあります。また、大卒の新入社員が3年以内に退職する割合は30~40%あります。
もし、短期で離職してしまった場合、次の就職先を見つけるのは難しいのが現状です。企業の採用担当者から見れば、「何か社会人として問題があるのでは?」、「ウチの会社に入社してもすぐに辞めるのでは?」と思われるからです。そして、就職先が見つからない状況になってしまい、行きつく先がフリーターになってしまうのです。
したがって、短期で離職することは、非常にマイナスになってしまうケースが多いのです。しかし、誰もが経験する道ですが、入社時は仕事のやり方などが分からないため、色々と失敗をすることも多く、上司などに怒られる日々が続きます。辞めたくなるのも理解できないわけではありません。
もし、お子様が「会社を辞めたい!」といった場合、親としてどのような対応を取れば良いのでしょうか?
最近は、働き過ぎにより命を落としてしまうとケースも報道されています。そのような状況であれば、退職させることも十分に考えられますが、会社での状況や、退職後、どのようにするのか?などを聞くことが大切です。お子様は色々と会社の悪口を言うかもしれません、退職後のことを甘く考えているかもしれません。

そこで、ご自身の社会人としての経験をお子様に伝えるのも一つではないでしょうか?(会社では我慢することも大切、仕事の進め方など)それにより、少しでもお子様にとって参考になるのかもしれません。時には、社会人の先輩として親身のアドバイスをすることも、お子様をフリーターにさせない一つの方法です。優しく接することが基本ですが、時には厳しくアドバイスすることも必要です。
そして、就職活動中・就職後ともに、お子様にとって本音を語ることができる相手(味方)を1人でも多く作っておくことが重要です。本音を語ることができる相手には、親御さん以外にもキャリアコンサルタントなどの専門家や親戚、友人なども候補の一つとなります。お子様自身で見つけることが重要ですが、お子様に任せっぱなしにするのではなく、時には、親御さん自身から話しかけたり、見つけたりしなければならないこともあるでしょう。
そのためには、まずは、お子様が親御さんに対して悩み事が本音で相談できるように、日頃から、親子間でのコミュニケーションを取っておくことが重要です。
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