お年寄りが多いと大変かも~介護事情~【2013年 第4回】

【2013年 第4回 お年寄りが多いと大変かも~介護事情~】
田舎暮らしを始めてみたら

西谷 由美子⇒プロフィール

都会と比較してみるとこんな事もあんな事もあります、田舎の介護の世界。

 

 

 

 

 

過疎地の縮図、高齢化社会

昨年末の衆議院議員総選挙。真面目な私は国民の義務、とばかり投票するためにはしっかり候補者を知らなきゃ、と選挙公報を読もうと思いました。しかし待っても待っても選挙関係の資料が届きません。

転居前から「あれは町内会の役員さんがポストに入れてくれる」はず、と思ってましたので、「さては」と思い、資源ごみの中の新聞チラシをチェック、ないなぁ。で、市役所に電話、「もう配布済みのはずですよ?」あらら、間違って燃えるゴミで出しちゃったのね、ネットで見とこう~。

 

ところがその2~3日後、町内の配布担当のおばあちゃんが、「遅くなってスイマセ~ン。」と持ってこられました。「ここ数日、風邪気味で外に出られなくてね~。」御年86歳、まだまだ歩いて町内の諸事をこなされるお元気な方です。こればっかりは「早くしてくださいね。」と文句を言う訳にもいきません(私の敬老精神がそうさせる)。

 

ここで恐ろしい事実に気が付きました。おばあちゃんが担当される町内10軒、私より世帯主が若いのは1軒だけ!あとの8軒は全部60歳以上(定年退職後)、あ、お子さん夫婦とご同居の方が1軒ありますが。過疎地の縮図、高齢化社会!

統計によりますと

統計によりますと、我が市の人口70,940人のうち、65歳以上の高齢者は20,411人。高齢者については夫婦のみの世帯が3,005世帯、単身世帯2,738世帯です。

*2010年の国勢調査による数字を使用

ここで公式HPの情報ですと、高齢化率は26.5%。県全体の24.2%、日本全体の23%よりは少し高め。そして平均年齢は男79.5歳、女85.7歳なのですが、健康寿命がそれぞれ76.0歳と80.2歳。つまり男性約2.5年、女性5.5年は程度はともあれ要介護状態で暮らす、ということになってます。

日本全体での健康寿命はそれぞれ70.4歳と73.6歳。お年寄りが多い所は健康寿命の後の期間が平均より長いのでは?という予想が裏切られました、良い意味で。わが町は元気なお年寄りが多い、ということですね。

福岡のベッドタウンに住んでいた頃から、デイサービスなどの送迎の車はよく見かけました。自宅の近所にはリハビリ施設や複合施設(老人ホームにデイサービスやショートステイなどが併設)があるために、同様に送迎の車をよく見かけます。

介護保険制度により、お年寄りを社会全体で介護する、が定着して、家族の重い負担が解消される。またお年寄りも自宅で一人で過ごすだけではなく、体を動かし多くの人との会話で心身ともにリフレッシュ。これはとても良いことですよね。

元気なお年寄りが多いと介護保険料も高額にならずに済みます。この地は県内中位の金額。あ、国保も同様で、私はこちらに転居してから、保険料負担金額が減ってます。被保険者一人につきの均等割額は千円程度ですが、一世帯にかかる平等割額は7千円近く減りました。なんだか得した気分。

但し問題も一つ。介護療養型医療施設が最近ひとつ閉鎖されました。なので「積極的な治療は必要なくなったけど直接自宅に戻るのは無理」という救急病院から転院して軽いリハビリを続けられる病院が減った、ということです。入院が2~3カ月待ちという話も。老人保健施設も市内に2つですので、まさに介護難民といわれるお年寄りの増加が懸念される・・・状態です。

近隣市町村の施設、特別養護老人ホーム等もありますが、どうしても立地は郊外に偏りがち。高齢者のみの世帯の方などは、交通の便が悪く、毎日面会に通う、ということが難しくなりがちです。若いご家族がいれば問題はないのでしょうが、どうしても都会のように公共の交通機関が充実していない地域は、これが大問題ですね。田舎へ移住を考えている若い方、核家族で育った場合、ご自分が高齢者になった時のことを想像しにくいでしょうから、この辺の事情は経験者に聞くことが必要かもしれません。

 

比較的元気なお年寄りが多く、限界集落と言われるような問題も目立たない所ではありますが、この先どうなるのかは誰にも予想できません。とはいえ、私も頑張って健康に気を付けて、いつまでも元気で自宅で生活できるようにしたいものです。
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