【2013年 第10回 観光で町おこしってどうなんでしょう】田舎暮らしを始めてみたら
西谷 由美子⇒プロフィール
久しぶりに「すべってころんで大痛県」なんて言葉を耳にされた方はいらっしゃいませんか。大分県が「おんせん県」の商標登録に失敗した事に関連するお話なのですが、動画再生回数のように観光客も大幅増、というのはなかなか大変なものですよね。
さあ、行楽の秋、10月です。
読者の皆様はどんな計画をお持ちでしょうか。そして、TVの画面から流れるCMは当然、その計画に影響を与えますよね。
現在福岡ではこれが流れております。ネットの動画でも結構人気ですが、ご存知ですか?
「おんせん県って言っちゃいましたけん」
日本一の温泉地「別府」を持つ大分県が特許庁に「おんせん県」を登録申請しましたところ、見事にうっちゃられました。個人的には香川が「うどん県」でOKなんだもの、いいんじゃない?とは思うのですが。残念ながらそれとこれとは別だったみたいです、現実の世界では。
しかし、これを逆手にとってのCM、なかなか力作でしょう?もうすぐJR九州の観光列車「ななつ星」も運行開始、どうぞ大分県にお越しくださいませ。という所で、頑張ってる大分の中のわが郷土はどうなのでしょう?
昭和の終わりぐらいから「昔ながらの町並み」を売りに観光客の誘致に精を出しておりました、ウチの川向こうの通り。実は福岡に住んでいた頃は、周囲の人がみ~んな「行ったことある」「良い所」っておっしゃるのでびっくりするやら嬉しいやら、でした。
で、日田市観光振興基本計画(H24)から抜粋です。
● 観光での来訪者はH17年の約712万人(年間)をピークに減少傾向にある。H23は472万人。
● 海外からは全体の5%で、台湾、韓国、中国、その他アジアで海外の客全体の95%を占める
● 市への来訪者は福岡県と大分県からが多い。
● 過去5年間、日帰り客が全体の91%で、その割合は殆ど変わっていない。
● 上記日帰り客の中には他所への宿泊客も含む。その場合、黒川、別府、湯布院の各温泉に宿泊する 割合が高い。
● 福岡県からの来訪者は日帰り客が圧倒的に多いが、宿泊の場合は黒川温泉が選ばれる傾向がある。
うん、確かにわが町の温泉は、それほど有名ではありませんし、車で1時間もかからずに、全国区の由布院温泉、黒川温泉(これ、他県)がありますものね。宿泊が少ないのはわかりますが、それにしても、最近減少傾向だったのか・・・ちなみに観光地のど真ん中で土産物店を営む先輩は「この4~5年、売り上げが落ちている」と仰ってました。それは単にデフレで財布のひもが固い、だけでなく観光客の減少もあったんでしょうね。
全国各地で「町おこし → 観光客誘致」の流れが大きいように感じるのは、報道でしばしば接するせいでしょうか。でも落ち着いて考えると、遠方からの方は交通費、つまりJRやANAやらにたっぷりとお金をかけてしまう訳で、その次が宿泊費、というのが観光にかかるお金の額の大きい順。すると地元のお食事、お土産類は費用を押さえて、とか考えられてしまうと地元商店街としては苦しいですね。せっかくの観光での町おこし、地元にたくさんお金を落としていただけたら嬉しいものです。
最近よく耳にする「滞在型」、「体験ツアー」の類。農作業、調理(ジャムとか、ハーブ料理とか)陶芸、等々、最初に来られた方に興味を持っていただき、次回の来訪を狙う、なるほど、これって、確かにありですよね。ゆっくり滞在していただく(地元でお金を使っていただく)だけでなく、楽しく役立つ体験もしていただく。そして、そのためには地元の色々な方のスクラムが必要。各地域の知恵の出しどころですね。
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