【2013年 第1回 現在の立ち位置と将来について】
自営業者 40歳からのセカンドライフ計画
恩田 雅之(オンダ マサユキ)
コラムを書き始めて5年目に入りました。今年もよろしくお願いいたします。 昨年は、世界的に政権交代の年でした。実際に新しい体制が動き出すのは今年からです。 昨年以上に変化の多い1年になるような気がします。
今年は、「自営業者 40歳からのセカンドライフ計画」と題して、自営業者の公的年金や医療、セカンドライフのための資産運用、セカンドライフの過ごし方、相続や贈与についてなどのテーマを月毎に取り上げていきます。
1.なんで、自営業者?
自営業者を選んだ理由は、年金や医療など社会保障の記事や解説のなかでは、「夫/サラリーマン、妻/専業主婦、子ども 2人の4人家族」がモデルケースとして取り上げられることへの違和感と、私自身が自営業者としてFP事務所を運営しており、自分自身のセカンドライフについてじっくりと考えてみたかったことの2点が、対象を自営業者にした理由です。
2.なんで、40歳から?
自営業者には定年がありませんが、セカンドライフを準備する期間として、30年前後は必要と考え、40歳という年齢を設定しました。また、40歳は、教育資金の事、住宅資金や住宅ローンの事、親の介護の事など、人生における様々な出来事(イベント)起こる年齢にあたり、いろいろなケースを想定できることも「40歳から」とした理由です。
3.現在の立ち位置について
これから、セカンドライフに向けて準備を始めるにあたり、現状の把握が必要になります。
①家族構成や家族の年齢などの人的な把握
②預貯金などの資産と住宅ローンなどの負債についての把握
③年間の収支状況の把握
の3点を把握することで、現在の立ち位置が明確になります。
①家族構成や家族の年齢などの人的な把握
人的な把握でのポイントは、子どもの年齢と同居、別居関係なく両親の年齢も下記のような表に書き出します。
また、ご夫婦の兄弟姉妹の情報も欄外に記載しておきましょう。
上記のケースでは、子ども進学と親の介護が並行して起こる可能性があります。
②預貯金などの資産と住宅ローンなどの負債についての把握
確定申告時に作成する貸借対照表と同じ形式になります。
作成時に注意するポイントは、資産の部分です。株式、投資信託及び自宅は時価で評価し、生命保険などは、解約返戻金で評価します。また、ローンで購入した自宅やクルマは、完済時までは、プラス資産になったり、マイナス資産になったりしますので、一度作成したら終わりではなく、毎年定期的に作成することが必要です。
③年間の収支状況の把握
年間の収支状況の把握のポイントは、収入について自営業者の場合、年毎にばらつきがある点を考慮した、将来のプラン作成が必要になります。収入の算出には、数年間の平均や傾向を加味する必要があります。支出については、下の表のように基本生活費と保険料、住宅ローンについては別項目で管理をします。
また、年間収支、貯蓄残高は以下の計算式で求めます。
年間収支は、(収入合計 - 支出合計)
貯蓄残高は、(前年貯蓄 + 利子など ± 年間収支)
*以下の表は、前年貯蓄1000万円 利子などは10万円として計算。
以上が、現状を把握するための3つ表になります。
4.将来について
将来については、お子さんの進学といった、時期の変更が困難な行事(イベント)の把握からスタートします。次のクルマの買い替えや家のリ・フォームなど時期の変更は可能だが、資産を維持するために必要なイベントを記入し、その後で、セカンドライフをスタートする時期を決め、セカンドライフでやりたいことを書いていきます。その時に、個々のイベントに係る費用も併せて書いておきます。
最近は、人生100年と言われています。ライフイベント表の作成者が100歳になるまでの
表を作成が必要です。下表が、将来の行事(イベント)を時系列に把握するためのライフイベント表の抜粋になります。
5.次回は
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