毎月の住宅ローンの支払いを抑えたいがその方法は? 【2010年 第12回】

【 2010年 第12回 毎月の住宅ローンの支払いを抑えたいがその方法は?】相談コラム

恩田 雅之プロフィール

 

 

 

 

 

 

 

 

相談内容

  • 相談者 Yさん(43歳)
  • 相談内容

 8年前に住宅ローンを組んだ時に予想していたように夫の給料が増えませんでした。

子供に教育費がかかる時期にも重なり、毎月の生活費のやりくりに苦労しています。

毎月の住宅ローンの支払いを減らす方法はありますか?

親からの援助の可能性があります。金額は200万円程です。

 

(家族構成)

・Yさん(43歳) 夫(43歳) 長男(18歳/大学生) 長女(16歳/高校生) 

(収入)

・Yさん         120万円

・夫           520万円

(住宅ローン)

融資額:2000万円 返済期間 25年 金利 3.6%

毎月の支払い 101,200円

(ボーナス払いはなし/元利均等払い)

支払った期間(8年 96回)

融資残高 15,424,423円

 

  • 回答

 毎月の住宅ローンの支払いを減らすには2つ方法が考えられます。

1つが「繰り上げ返済」、もう1つが「借換え」になります。

それぞれの内容を簡単に説明させていただきます。

 

繰り上げ返済

 「繰り上げ返済」は住宅ローンの支払い期間を短縮することで、金利の負担を軽減する方法としてよく利用されています(期間短縮型)。

また、支払い期間を変更せずに毎月に返済額を軽減する方法もあります。(返済額軽減型)

繰上げ返済した金額は、「期間短縮型」と同じく全て元金返済に充てられます。

その分、利息の支払いが減り、それによって、毎月の支払額が軽減されます。

利息の軽減効果は「期間短縮型」軍配があがります。

 

借換え

 「借換え」は、現在の住宅ローンを組んでいる金融機関とは別の金融機関にて新たに住宅ローンを組み直すことによって現在の住宅ローンを完済します。

そして、新たに組んだ住宅ローンを毎月支払っていく方法です。

この場合、現在の住宅ローン金利より低い金利であることが条件になります。

一般的には、金利差1%以上、借入残高1000万円以上、借入期間10年以上が借換えを検討する目安になります。

新たにローンを組み直しますので、それにかかる諸費用(保証料、登記料など)も考慮することが必要です。

 

 また、「借換え」の場合には今後の住宅ローンの選び方により、毎月の支払金額が違ってきます。3年や5年などの金利の固定期間の短いものを選んだ場合には、当初の固定金利の期間に金利を低く抑えて、毎月の支払額を減らすことは可能です。しかし、固定期間終了後の段階でローン金利が上がり、逆に毎月の支払金額が増えてしまう危険性があります。

 

 それでは、親からの援助(200万円)を受けた場合の「繰上げ返済(返済額軽減型)」と「借換え(固定期間5年)」(お子さんの教育費が多い期間)の2つで変更後の住宅ローンの返済額を大まかに計算してみます。支払いは元利均等払い、ボーナス支払い無し。

 

「繰上げ返済(返済額軽減型)」

1.繰上げ返済後の融資残高   15,424,423円-2,000,000円=13,424,423円

2.残りの返済回数       300回(25年)-96回(8年)=204回(17年)

3.繰上げ返済後の毎月の返済額 88,077円

*金利3.6% 返済期間17年 100万円あたり6,561円(返済早見表より)

4.繰上げ返済による利息軽減額 (101,200円-88,077円)×204回-2,000,000

                =677,098円

 

「借換え(固定期間5年)」

1.融資額           13,424,423円

2.当初5年間の毎月の返済額  80,210円     

  当初5年間の金利を2.4% (全期間店頭金利 -1%)

100万円あたり5,975円(返済早見表より)

3.6年目以降の金利が予測できないため、軽減効果の計算はできません。 

 

 上記の計算例は、Yさんに「繰上げ返済」と「借換え」のイメージを掴んでいただくためのものです。2つの方法とも手数料や諸費用を考慮していません。

実際には金融機関にて手数料を加えた金額で試算してもらう必要があります。

 

 最後に、住宅ローンの返済額軽減を考える際は、最初にどのくらいの期間、軽減することで家計が楽になるかを考えて、それに合う返済額の軽減方法を選択しましょう。

 

Yさん家の今後のライフプランや資金繰り(キャッシュ・フロー)を把握するために、ライフプラン表とキャッシュ・フロー表の作成から始めてみてはいかがですか。

 

 

 

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