住宅ローンのポイント(変動金利と固定金利について) 【2010年 第9回】

【 2010年 第9回  住宅ローンのポイント(変動金利と固定金利について)】相談コラム

恩田 雅之プロフィール

 

 

 

 

 

 

 

 

住宅ローンは、今後の金利の動きに影響を受けるタイプと受けないタイプがあります。

また、大きく分けると、変動金利型、固定金利選択型、全期間固定金利型の3種類に分類されます。

 

日本は、長い期間金利の低い状況が続いています。また、当分低い金利水準の状況が続くと考える人が多いのか、変動金利型や固定金利選択型の住宅ローンを選ぶ人が多いようです。

 

また最近は、住宅支援機構が優良住宅の取得時に適用する「フラット35S」で優遇金利を設けています。かなり魅力的な金利優遇になっていますので、この制度をチェックして取得する物件を検討してもいいかもしれません。

 

では、変動金利型、固定金利選択型、全期間固定金利型、それぞれの特徴をみていきましょう。

 

変動金利型

1)変動金利型

半年に1回金利の見直しをしますが、住宅ローンの毎月の返済額を見直すのは5年毎になります。また、大幅に支払金額が増えないように見直し後の返済額のアップ率は、1.25倍までなっています。しかし、急激に金利が上がりますと、毎月の返済額のほとんどが金利の支払いに充てられ、元本がなかなか減らないこともあります。

 

固定金利選択型

2)固定金利選択型

当初の固定期間(3年固定、5年固定、10年固定など)が終了する時点の金利が適応になります。今後の金利の動き次第で毎月の返済額が安くなったり、高くなったりします。

また、固定期間終了時までに次も固定金利選択型で行くか変動金利型へ変更するかを選びます。これを完済までの期間繰り返していきます。

 

全期間固定金利型

3)全期間固定金利型

他の2つの住宅ローンに比べて金利は高くなりますが、今後の金利の動きに左右されません。ローンを組んだ当初の金利が完済時まで継続します。返済方法を元利均等払いで行えば毎月の返済額は完済時まで変わりません。返済計画や家計管理のし易い支払方法になります。しかし、世の中の金利が下降している時でも、低い金利の恩恵を受けることはできないデメリットもあります。

逆に金利が上昇した場合に、毎月の返済金額が増える心配をしなくて済みます。

但し、フラット35S(優良住宅取得支援制度)を活用できる物件を取得した場合は、デメリットをかなり緩和できます。

 

最後に、多くの方が選択されている、期間3年、5年の短期固定金利型の注意点をまとめておきます。

 

早め早めの「繰り上げ返済」をしてはいけない

1)早め早めの「繰り上げ返済」をしてはいけない。

固定金利選択型の場合、当初3年、5年の金利を低く抑えていますので、その期間に繰上げ返済をしてしまいますと、固定期間終了後に繰上げ返済を行うより、金利負担の軽減メリットが小さくなってしまいます。

 

金利が上昇した場合に、アップ率の制限がありません

2)金利が上昇した場合に、アップ率の制限がありません。

固定金利型選択型は、変動金利型のようにアップ率1.25倍という制限がありません。

今後、金利が上昇した場合に毎月のローン支払い金額が急に増えることがあります。

 

そのために対策として、最初の固定金利が終了するまでに、繰上げ返済用の資金や金利上昇に備える予備資金を用意するような資金計画を立てておきましょう。

 

以上、3種類の住宅ローンの特徴とメリット・デメリット及び、短期固定金利型を利用する場合の注意点について説明をさせていただきました。

 

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