【2012年 第2回】 住宅ローン減税の申告はお早めに!
– ケース別コラム – 住宅ローン
奥田 知典(オクダ トモノリ)⇒ プロフィール
昨年、念願のマイホームを取得した人は、住宅ローン減税もしっかり活用しましょう。ただし、平成24年3月15日までに申告手続きが必要ですのでご注意を。今回は、住宅ローン減税の内容と手続きについてです。
今年も確定申告の季節となりました。特に、昨年めでたくマイホームを取得した人は、今回の確定申告で、住宅ローン減税を受けるための手続きを行う必要があります。
■住宅ローン減税の内容をおさえよう
住宅ローン減税とは、正式名称を「住宅借入金等の特別控除」といい、平成23年中に住宅ローンを利用してマイホームを新たに取得し、居住を開始した場合、その住宅ローンの年末残高の1%(最大30万円)を上限に、向こう10年間所得税を減額してくれる、ありがたい制度です。
ただし、適用を受けるためには一定の要件を満たす必要があります。その要件とは、以下のとおり。
①自己居住用家屋の新築・取得または増改築
②取得後6カ月以内に居住
③金融機関、社内融資等所定の機関から借りる10年以上の住宅ローン
④控除を受ける年の年末に引き続き住んでいること
⑤控除を受ける年の合計所得が3,000万円以下
⑥取得した住宅の床面積が50平方メートル以上かつ居住部分が1/2以上
⑦居住を開始した年と、その前後2年、あわせて5年の間に『居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例』を受けていないこと
したがって、例えば居住開始してから5年後に、転勤のため家を空けた場合は、居住していない期間、住宅ローン減税は受けられません。あくまで居住すること(住民票など客観的な事実が必要)が要件ですので、注意しましょう。
一方、意外と知られていませんが、勤務先の社内融資であっても、10年以上のローンであれば減税の対象になります。社内融資は無担保無保証の場合が多く、借主にとってはより安全なローンでもありますので、勤務先が社内融資制度を持っている方は、ローン選びのさい、ぜひ有力な選択肢のひとつとしていただければと思います。
■住宅ローン減税に必要な手続き
これまで住宅ローン減税を受けるための主な要件について述べてきましたが、なにより減税を受けるための手続きをしないと、その適用が受けられません。サラリーマンの場合も、住宅ローン減税だけは、自分で申告手続きが必要です。(補足:サラリーマンの場合、初回だけは確定申告が必要ですが、翌年度からは年末調整で対応できます。)
住宅ローン減税の申告に必要な書類は、
①住宅借入金等特別控除額の計算明細書
②住民票の写し
③住宅ローンの年末残高証明書
④登記事項証明書
⑤請負契約書や売買契約書の写し等、取得年月日と取得金額、床面積が50㎡以上であることがわかる書類
⑥源泉徴収票
など。これ以外にも取得の状況により、追加書類が必要な場合もあります。国税庁HPか、最寄りの税務署に相談し、確認しておきましょう。
なにより、3月15日までが確定申告の期限です。救済措置はあるとはいえ、うっかり忘れると、せっかくの住宅ローン減税が受けられなくなる可能性がありますので、どうかお忘れなく。このコラムを読んで、あっと思った方は急いで申告手続きをいたしましょう!
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