【2006年 第1回】データから見る地域の特徴 ~ 阪神・淡路大震災から11年、近畿圏は復興したか。~住宅
大石 泉(オオイシ イズミ)⇒ プロフィール
近畿圏に住まいを構える人々の住宅意識を変えたのは、良くも悪くも阪神・淡路大震災だといえよう。
平成7年1月17日(火)5時46分。3連休明けの出勤日であった。
祝日法の改正が行われていなければ、11年目の今年は同じ巡りである。
5万人を超える死傷者を出した、阪神・淡路大震災だが、住家被害は、全壊・半壊・一部破損を含めて512,882棟に及ぶ。
兵庫県や神戸市など、被害が大きかった自治体を中心に復興への取り組みが進むが、心の傷はなお残る。
神戸市の推計人口
平成7年1月1日時点での神戸市の推計人口は、1,520,365人。
同年10月1日の国勢調査では、1,423,792人と9万人以上の人口減であったが、昨年の平成17年10月1日には、1,525,389人と大震災前の人口を上回った(平成17年国勢調査結果 速報概数値)。
着工戸数
新設住宅の着工戸数であるが、大震災以降、平成9年より対前年増減率はマイナスが続く。
神戸市では平成15年に、兵庫県及び近畿全体では平成16年に増減率がプラスに転じた。
持ち家率
住宅の持ち家率についてみてみよう。
平成12年の国勢調査によれば、全国で持ち家に住む世帯は27,905,128世帯。
民営の借家に住む世帯は12,297,660世帯で、住宅に住む一般世帯数に占める割合は、それぞれ61.1%、26.9%となっている。
持ち家率を都道府県別にみると、富山県が73.9%と最も高く、東京都が43.7%と最も低い。
近畿2府4県であるが、全体では持ち家率65.3%と全国平均を上回る。
だが、大阪府は51.4%と東京に次いで低く、全国第46位。
一方、滋賀県73.0%、和歌山県72.5%はそれぞれ全国第8位、第9位と上位を占める。
近畿圏に小さな日本の縮図があるようだ。
一世帯当たり延べ面積
住宅に住む一般世帯の一世帯当たり延べ面積では、全国平均91.3㎡に対し、近畿2府4県では95.65㎡と若干全国平均を上回る。
これも、滋賀県、和歌山県、奈良県の100㎡超の結果が近畿全体の数値を押し上げる結果となっている。
県内、圏内での都市集中が、各世帯の住宅事情格差をもたらしている。
【出典】
※阪神・淡路大震災の被害状況に関するデータ:消防庁(H15.12.25)
※国勢調査:総務省 統計局
【2006年02月08日00時00分】
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