【2006年 第3回】賃貸価格 ~ 近畿圏の成約賃料、ついに下げ止まり!?~住宅
大石 泉(オオイシ イズミ)⇒ プロフィール
近々売り出される好条件の新築マンション。
販売担当者の話しでは、「このマンションは回るよ」とのこと。
「回るよ」とは、「分譲貸しをすれば、住宅ローンの返済額以上に賃料を取得でき収益が上がるよ」、ということである。
マンションの販売価格が割安で、自己資金や借入額が少なくて済む、また低金利のおかげで支払利息が低い、さらに賃料収入が高い、と3拍子揃えば、机上の計算結果は明白だ。
首都圏や東海圏と比べると、景気の低迷が目立つ近畿圏であるが、賃貸市場はどうなのであろう。
貸すにも借りるにも気になるところである。
近畿圏の賃貸市場
社団法人近畿圏不動産流通機構のデータによれば、一進一退を続けていた近畿圏の賃貸市場は、ここ1年ようやく賃料が下げ止まる傾向にある。
京阪神の成約賃料単価は、04年度まで大阪市の下落などが目立ったが、05年度上期に入って横ばいとなり、エリアや住戸タイプによっては上昇に転じたのだ。
京阪神の部屋別賃料単価は以下のとおり。05年度上期にはいずれも上昇に転じた。
(05年度上期)
・1部屋タイプ:2,300円/㎡前後
・2部屋タイプ:1,700円/㎡前後
・3部屋タイプ:1,500~1,700円/㎡
また、駅徒歩条件別は以下のとおり。10分未満では賃料の下落に歯止めがかかっている。
(05年度上期)
・徒歩5分未満:2,200円/㎡台
・徒歩10分未満:2,100円/㎡前後
・徒歩15分未満:1,800円/㎡前後
投下資本と賃料収入
近畿圏の値ごろ感ある持ち家への需要シフトは今後も続くだろう。
だが同時に、賃貸することを意識した持ち家の取得行動も活発。
「誰のための住宅取得なのか」を再認識して頂きたいし、具体的な収益試算も怠らないようにして欲しい。
広くなれば分譲価格は高く、家賃単価が低くなることをデータは示している。
成約賃料単価が下げ止まり、市況が改善しつつある現在、投下資本と賃料収入のベストバランスを探したい。
【2006年02月21日00時00分】
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