【2006年 第1回 】データから見るデータから見る地域の特徴~雪降ろしとライフスタイルモデル
瀬戸家 みのり(セトケ ミノリ)⇒プロフィール
今冬は、昨年末より豪雪に見舞われています。
テレビやニュースでご存知の通り、日本海側では交通機関がストップしたり、雪降ろしの際の死亡事故が起きたりと大きな被害が出ています。
雪下ろしのの負荷
私の住む仙台はほとんど雪が降らないので、雪降ろしは経験したことがないのですが、屋根の雪降ろしは危険なだけでなく大変な重労働です。
老齢者のみの世帯などでは、費用を自己負担して、業者に依頼しなければならないようです。
「核家族化」の影響がこんなところにも現れているのですね。
東北地方の持ち家率
ところで、総務省「社会生活統計指標 -都道府県の指標-(居住)によると、東北地区の持ち家率は全国的に見ても非常に高く、秋田・山形では実に75%以上。つまり、4人に3人は持ち家、ということになります。
しかし、人口に占める住宅の総数が多いのかというと決してそうではありません。
では、なぜこんなに持ち家率が高いのでしょう?
ここからは私の推測ですが「同居率」が高いからではないかと思います。
結婚したら新居を持つのではなく、夫(または妻)の実家に同居する方が多いからではないでしょうか。
それに、秋田・山形は農業に従事する方も多いので、農作業の手伝いのため同居という側面もあると思います。
実際、私の父の実家は山形ですが、そちらには、祖母、伯父、伯母、いとこ(跡継ぎ)、いとこの奥さん、いとこの子どもの6人家族です。
いとこは会社員ですが、伯父は専業農家です。いとこの奥さんはパートで働いています。
そして、田植えや稲刈り、野菜・果物の収穫時は家族総出で農作業です。
同居率が高い=共働き率が高い?
実は、山形は「共働き率」も高水準なのです。
父の実家の場合も、祖母、伯母と同居していて、こどもの面倒を見てくれる人がいるので、奥さんも働きに出ることができるのですね。
つまり、同居率が高いとこどもの面倒を見てくれる人がいるので、奥さんも働きに出られる=共働き率が高くなるということなのかもしれません。
もし、「持ち家率が高い=同居率が高い=共働き率が高い」という推測が正しければ、住居費を抑えることができ、家計全体の収入も多くなります。
そうすると、人生の中で住居費の次に大きな支出といわれる養育費にまわせる資金が増えますので、安心してこどもを産み育てる環境が作れるかもしれません。
また、同居率が高いということは、何より若い人が同居しているということですから、老齢者の方が身体を無理して雪降ろしをして、屋根から落ちたというような事故が減るかもしれません。
そうは言っても、「持ち家、同居、共働き」を満たすのは、様々な事情があって難しいことも多いのが現実だと思います。
身近なニュースとライフプランの変化を合わせてみて、FPとして今後のライフスタイルモデルを考える際のヒントとしたいと思いました。
【2006年02月08日00時00分】
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