【2013年 第11回 遠くのものは避けよ】投資の格言から学ぶ 株式投資
松山 智彦⇒プロフィール
「ふるさとは遠くにありて思うもの」なんてよく言いますが、遠い距離だからこそ、懐かしく思えるものです。しかし、遠くにいると実情はなかなかつかめないものです。
遠く=情報が入りにくい=不得意
この格言でいう遠くは「(正確な)情報が入りにくい」とか「不得意(な分野)」という意味が含まれています。
例えば学生時代の期末試験の時、得意課目は必死で勉強しても苦にならずすいすい頭に入って、いい点が取れましたよね。反対に不得意課目は勉強も身に入らず、手も抜きがち、その結果悪い点数だったりするものです。
投資の世界も同じで、不得意分野や情報が入りにくい業界に投資する事は、うわさに翻弄されたりして失敗するケースが多くみられます。
近くの情報こそ、好材料の宝庫
逆にあのお店はいつも混んでいるとか、ここの商品は人気があるんだよねとか、そういった身近に感じる情報は、実は投資にとっては有益な情報なケースが多いです。
混んでいるお店は常に客稼動が高いという見方ができますし、商品の使い勝手の良さはヒット商品の可能性だったりします。友達からの情報なども参考になるケースもあります。
こういうのを私は街角景気と呼んでいますが、1997年夏。東京駅八重洲南口付近にあったある証券会社が閉店になっていました。いくら景気が悪かったとはいえ、八重洲の人通りが多く、またそこにあった株価ボードがよくテレビで映しだされて、いわゆるタダで広告を出している、そんな効果がある店舗の閉鎖は尋常じゃないなと感じたのを思い出します。
その年の11月にその証券会社は倒産しました。私が街角景気を初めて実感したケースです。
あるいは、某旅行会社がCMにタレントを使うようになったのを見て、儲かっているのかな?と感じた事があります。あとで調べたらやはり株価が上昇していました。
このように日頃見慣れた景色やテレビからでも、投資情報は得られるのです。
銘柄選びのポイント
新製品や新規出店(廃止なども同様)の情報はオフシャルやマスコミ発表の場合には株価に折り込まれているケースが多々あります。しかし、それらを実際に手に取ったり、店舗まで足を運んで感じた情報は、バイアスがない貴方だけの情報です。その感じた情報を誰かと共鳴できれば、たぶんヒット商品になるでしょう。
反対に海外のものなどは情報の正確性に欠けるケースが多く、またマスコミやネット上の情報にはバイアスがかかっているケースも多々あり、そういった情報は投資判断に使うのは避けたほうが良いでしょう。
本日のポイント
「好材料」:材料とはその銘柄に関係する投資情報。好材料はいい情報といえます。
「バイアス」:情報などが意図的に操作される事。
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