買いにくい相場は高い【2013年 第4回】

【2013年 第4回 買いにくい相場は高い】投資の格言から学ぶ 株式投資

松山 智彦⇒プロフィール

ブランド品を買った事がありますか?高いですよね。買う時にかなり勇気がいります。でも買った後はどんな気分でしょうか?今回のそんな格言です。。

 

 

 

 

安物買いの銭失い、高いものはそれなりに

1円でも安いものを・・・。主婦の買物のセオリー?!ですよね。反対に高いものを買うときは、清水の舞台から飛び降りる気分・・・は大げさかもしれないが、でも高いという理由だけで敬遠しがちです。

日本人は買物下手なんて言われますが、その理由のひとつに価格だけで決断する傾向を挙げる人がいます。その価格である理由も考えずに・・・。そして後悔する事が度々・・・。後悔まで至らなくても、「どうせ安物だから」と買ったあと大切に使わなかったり・・・。反対に高いものを買った時は、大切に扱う。高いだけで満足したり・・・。

でも高いものに満足するのは、単に高いから、ではなくちゃんとした意味があるはずです。例えばブランド品の場合、長く使えるための品質やサービスが価格に反映していると言えます。

 

株価にも意味がある

買いたい銘柄がある。でも高いなぁ・・・。でも株価が高いのにも意味があります。「株価は美人投票」(1月のコラム)の時に、AKB48の総選挙に例えました。サービス内容、ブランド力、商品の中身などから将来に期待して株価に反映するという事を書きました。

株価が高いという事はそれだけ将来を期待している。その奥には期待感に裏打ちされる企業戦略や新製品発表などの上昇要因が含まれている可能性が高いです。安い銘柄は逆に期待されていないという事です。もちろんその中に反転上昇する銘柄もありますが・・・。

 

 銘柄選びのポイント

株価に意味があるならばその意味を探してみましょう。

そういう時に役に立つ指標に株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)があります。単元株数や業種の異なる銘柄の比較に使われます。これを使って、この株価は相対的に高いのか安いのか?まだまだ上昇する要因があるのかを探っていきます。

例えば投資したい企業で前期と当期のPERを比較する。同業種のライバル社とのPER,PBRを比較する。そしてそのデータに裏打ちされる定性的な要因を探します。「だから高いんだ・・・。だったらまだ伸びるなあ・・・」と予想すれば、買いにくい株式が高くても“買い”たくなるはずです。もちろん、投資するための資金があればの話ですが・・・(笑)

この格言は、株価には意味があるというのと同時に、株価だけで売買を判断するのは危険と警鐘を鳴らしています。この資金で買える安い銘柄なんて探し方をしたら、痛い目にあうという事です。(もちろんそれを理解して買う人もいるにはいます。一発逆転を狙って)

 本日のポイント

「PER(株価収益率)」:株価÷一株当りの(税引き後)純利益

株価が利益の何倍まで買われているかを現す指標

「PBR(株価純資産倍率)」:株価÷一株当りの純資産

企業の解散価値に対して株価が何倍であるかを現す指標

※PBRが1倍を割る状態は、市場で売却するよりも解散させたほうが価値が高い状態。
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