女子が生まれたら桐が植えるがごとくに株を買え【2013年 第5回】

【2013年 第5回 女子が生まれたら桐が植えるがごとくに株を買え】投資の格言から学ぶ 株式投資

松山 智彦⇒プロフィール

ブランド品を買った事がありますか?高いですよね。買う時にかなり勇気がいります。でも買った後はどんな気分でしょうか?今回のそんな格言です。。

 

 

 

 

長期投資は、投資の基本

桐が育つのには20年かかるそうです。生まれた女の子が成長して嫁入りする時期と少し重なりますね(近年は少し事情が異なるようですが)。この格言は株式投資もそれぐらいの長い目で投資すべきだという格言です。

有名な話では、セブンイレブン(現セブンアンドアイホールディングス)の株式を上場当時に保有し続けた人は、約800倍も資産が増えたとも言われています。

企業の寿命は平均30年といわれていますが、東証に上場している企業を見渡してみると、30年を超える名門企業はざらにあります。もちろん生き残るために合併をくり返した例もあります。

それらの企業の歴史を振り返ってみますと、企業は常に新製品、新技術、新サービスを世に送り出しています。それらを研究・開発するためには莫大な時間と費用がかかります。また製品化しても普及するまでにさらに時間を要します。

だから長い歴史を積み重ねる事ができるのでしょう。

今の時代にマッチしている?

しかし、今の世の中、技術革新の速度が高度成長期とそれとはかなり異なります。

特にIT関連企業は、ビジネスアイデア次第で急激に成長し、成熟する傾向があります。また製品においても、1990年代初頭に大ブームを起こしたポケットベルは現在見る影もなく、携帯電話のバージョンアップの速度が年単位から季節毎に早めています。

今は、高度成長期のようにどの企業に投資しても、長期投資であればほぼ利益を獲得できるといった時代ではないのかもしれません。

因みに、バブル後の1994年から2003年の10年間の「株価投資収益率」は年3%(東京証券取引所調べ・配当込み)だったそうです。経済的にも株式投資的にも“失われた10年”だったと言えます。

また少子化で子供がいない世帯が増えたり、ちょっと前だと核家族化で桐を植えるための庭がなかったり、この格言は死語ならぬ、死格言なのかもしれませんね。

 

 銘柄選びのポイント

とはいっても、失われた10年でも着実に成長している企業もあったのは事実です。またこの時期を乗り切った企業も上場している銘柄にはたくさんあります。

景気には不況があれば好景気があるように企業にも波があります。その波をどのようにして捕らえるか。

その方法には投資戦略(テクニカル)か、企業研究(ファンダメンタル)かがあります。

それらの詳細はいずれお話するとして、どちらも苦手な方には、好みの企業(私の場合だと鹿島アントラーズの親会社である新日鉄住金)を選択し、ただひたすら上昇を待つ。ただ、待つだけではつまらないので、株主優待を期待するとか、定期定額買付(ドルコスト平均法)でちょっとずつ買い足していくとかしながら待つのです。

私は街角景気戦略と名づけた投資戦略があります。あるお店の客の入り方や、工場の稼働率、何気なく目にしたニュースなどから、その企業の将来的なイメージを直感的にイメージして、それを信じて投資するという戦略です。

非科学的かもしれませんが、企業の業績や成長性を最も感じる人はそれを利用する消費者です。投資家も消費者のひとりであるならば、その消費者の感覚というものを信じてみるのも一つの手だと思います。消費者マインドに訴えるものがあれば、やがて成長していくはずです。

因みにそういった主観的な意見をデータ化、指数化した経済指標に“日銀短観”というものがあります。

 

まとめ

実は株式投資の魅力を語る時、子供の成長を見守るようにその企業を見守りましょうと提案します。少しぐらい株価が安くても大目にみてあげれば、企業はきっと大きく成長するはずだと・・・。自分の子供はどんな時も一番であるように。

また子供は、特に女の子は、嫁に出すときが一番悩むと言われています。それは株式投資の中でもっとも難しいのが“売りのタイミング“であるのと、どことなく似ている気がします。

本日のポイント

「72の法則」:「保有期間×利率=72」元本が倍になる保有期間と利率の組合せ。複利で運用される金融商品どうしの比較で使用される事が多い。
「ドルコスト平均法」:定期定額で値動きのある銘柄を買付する事。定量で買い付けるよりも定額で買い付けた方が、平均買付単価が下がる効果がある。
「日銀短観(全国企業経済観測調査)」: 日本銀行が日本の経営者(約1万社)からの業況等をアンケート形式で集計、データ化したもの。景気の動向を短期的に観測できるものとして重要視されている。

 

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