【2013年 第6回 政治は株でなく失業とインフレに関心がある】投資の格言から学ぶ 株式投資
松山 智彦⇒プロフィール
“アベノミクス“という名の景気対策が、株価に影響を与えるようです。まもなく”参議院選”が行われますが、はたして・・・
なぜ失業とインフレ?
政治家が株式に言及するときは、失業とインフレの対策が絡んでいる時です。その先には選挙対策があります。アベノミクスにおいても、この二つを合わせたとも見える“景気対策の3本の矢”がありましたね。
ではなぜ、失業とインフレなのか?失業は収入、インフレは支出、どちらも家計への影響が強いからです。この二つの対策を疎かにすると、国民の不満が溜まり選挙に影響します。それどころか暴動に発展する事もあります。
この格言には「株価対策を政治家に期待するな」という教えであります。
安倍首相が掲げたアベノミクスにおいても、株価が急騰しました。しかし、そもそも前政権時の野田元首相の「解散宣言」から株価が反転、急騰したので、本当は株価や景気の低迷感が行き過ぎている反動という見方もできます。
参議院選後はどうなる?
この執筆をしている時は、日経平均株価が5月のピーク時から20%近くまで下落していました。
「アベノミクス崩壊か?」という煽りと、「アベノミクスはまだ途中!」という強気発言が入り混じり、その評価と先行きに意見が割れています。(ある意味、この格言が正しい事を証明する値動きなのかもしれません。)
ただ、この値動きの激しさには、アベノミスクの反動よりも、海外の景気(特にアメリカ)の影響を受けている見方が強いです。それを証明するかのように、円高時には株価が低迷、円安時には株価が上昇しています。
では、参議院選挙後はどうなるのだろうか?興味をそそる所です。政治家にとっては選挙で掲げた公約を実践する時期になります。
株価も同じ事が言えるかもしれません。株価は期待感から上昇し、期待通りであればさらに上昇する傾向にあります。失業対策、インフレ対策(景気対策)の影響を受けての株価上昇が、本物なのかどうか、つまり景気対策効果が実感できるかどうかにかかっています。その効果が感じるようであれば、株価はさらに上昇するでしょう。しかし期待はずれの場合には、反転下落してしまうでしょう。
政治家も株価も実践・実体が試される時だと言えそうです。
銘柄選びのポイント
どのような景気対策を行うかによって、選ぶ銘柄が異なります。
例えば住宅購入促進をターゲットにした場合は、住宅関連銘柄、具体的には住宅メーカーや住宅装備メーカー(給湯器など)、エコ関連だと太陽光パネルメーカーがその部品を製造する所になります。政府が行う景気対策は、すその広い産業をターゲットにするケースが多く、「風が吹けば、桶屋が儲かる」的な銘柄にも影響が及びます。例えば自動車産業だとガラスがゴムもそうですが、服地メーカー、芳香剤メーカー、音響メーカーなどにも影響します。
こういった銘柄を探してみるのも、株式投資の妙味かもしれません。
本日のポイント
「日経平均株価(日経225)」:日本経済新聞社が公表している、東京証券取引所第1部に上場している銘柄のうち、主要な225銘柄を選定し、株価の連続性を維持するために株式分割等による株価変動を調整した、修正平均株価。225銘柄は、その時代の主要な産業の代表的な企業を選定し、毎年秋ごろに銘柄の入れ替えが行われる。
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