家計のダイエットをする目的と目標を考えましょう【2013年 第2回】

【2013年 第2回 家計のダイエットをする目的と目標を考えましょう】 家計節約~家計のダイエット〜

中村 真佐子 ⇒  プロフィール

家計ダイエットをする決意をしたら、まず初めに目的と目標を定めましょう。目的のないままむやみやたらに家計ダイエットを始めるのはストレスがたまります。目標を楽しみに変えて進めていきましょう。

統計で家計の平均を見てみる

FPの相談でよく家計の平均値を聞かれます。

ほかの人はどのように家計を管理しているのか気になる人は多いようです。

統計局の家計調査のデータ(平成23年)を見てみましょう。

以下の図表は、平均2人以上の世帯の1か月の家計収支状況です。

家計収支の状況

ご自身の家計と比べていかがですか?

「こんなに貯金できてないわ」

「うちとだいたい同じだわ」

「教育費はもっとかかっているわ」

など、いろいろな感想を持たれたのではないでしょうか。

 

これはあくまでも平均です。平均を知りたいものの、いざ見てみるとそもそも収入金額が違っていたり、世帯人数が違っていたりで、一概に比較はできないことがお分かりになったのではないでしょうか。

統計で貯蓄の平均を見てみる

次に貯蓄の面を見ていきましょう。

こちらも、他人のことが気になりますね。同じく、統計局の家計調査データを見てみましょう。
貯蓄現在高階級別世帯分布

圧倒的に多いのが、200万円以下の世帯です。

全く貯金がない世帯も約28%(金融中央広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成24年調査結果」)に上っていることも見過ごせません。

図表の中の「中央値」は、額の多い方から数えて真ん中の世帯の額です。平均値より、より実態に近い値です。

貯蓄は、お金を貯めること自体が目的ではなく、将来必要なお金を準備のためにするものです。

多い少ないは比較の対象ではなく、将来必要なお金はいくらで、そのための準備ができているか?がポイントです。その準備が不足している場合は、貯蓄を増やさなければなりませんね。

家計管理の基本の「き」

家計管理とは、収入の範囲内で生活に必要なお金のやりくりして、なおかつ将来のための必要なまとまったお金の準備をすることです。

計算式にすると、

収入=支出+貯蓄

このバランスが大きく崩れているときは

収入<支出(貯蓄なし)

となります。

バランスの崩れた式が成り立っている家計は、支出を健全なものにするためにダイエットが必要になってきます。

収入の範囲内でどうにか生活できているが、貯蓄が全くできていない場合も将来が不安ですね。

少なくとも何かあった時の予備費として、月々の生活費の半年分は貯蓄として持っておきたいものです。

月額25万円で生活をしている場合は、150万円になります。

他に住宅購入や教育費などのライフイベントに必要なお金が月々の収入で賄えない場合は、貯蓄で準備をしなければなりませんね。

 目的を明確にして目標を立ててみましょう

 

家計ダイエットをする目的は

「赤字を解消するため」「貯蓄をする(増やす)ため」

などそれぞれにあるでしょう。まずは家計ダイエットをする前に目的を明確にしましょう。

 次に目標を立てましょう。

家計ダイエットは支出を減らすものですから具体的に「金額」の目標を立ててみましょう。

来年に迫っている消費税増税に耐える家計を今からやってみるという目的ならば、消費税アップにより負担増になる金額を目標としてもよいでしょう。例えば、月15万円の消費支出がある家計なら、現状(5%)では、消費税の金額は7,500円となります。10%なら15,000円になるので、10%増税分7,500円を目標金額とするのです。

月々の赤字をボーナスで月額2万円補てんしていた家計ならば、その補てん額を目標金額としてみましょう。いきなり2万円は、難しいようでしたら、はじめは1万円に。ダイエット成功の暁にはボーナスからの貯蓄が増やせますね。

目標金額は、小さな金額でスタートすることをお勧めします。ハードルが高いと挫折してしまいます。体のダイエットと同様、継続すること、良い習慣を身につけることが家計ダイエットのポイントです。

具体的に目標金額が決まったら、どのようにしてダイエットしていくか・・・

次回から、具体的に見ていきましょう。

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