【2016年 第3回 危ない金融商品は矛盾だらけ(2)】こんな金融商品は要注意
有田 宏 (アリタ ヒロシ)⇒ プロフィール
個人投資家に人気の外貨FX。低コストが人気の秘密。
低コストで商品が成り立つためには理由があります。対面営業ではFXと言う商品は成り立ちません。
FXにまつわる詐欺
最近は鳴りを潜めましたが、外国為替証拠金取引(FX)の出始めの頃には悪質業者が多く出現していました。
高収益をうたい営業担当が言葉巧みに顧客からお金を集めて、投資をせずそのまま消えてしまうようなものでした。
平成17年にFX業者が登録制に移行することにより、そのような悪質な業者はもとより、大多数が淘汰されていきました。
FX取引の人気の秘密
FX取引の特徴として、僅かの証拠金でレバレッジを利かしたハイリターンを望めることが出来るということが有ります。
それ以上に商品を特徴づけているのが非常に低いコストだということです。
銀行で外貨預金に預ける場合、外貨を買い付ける価格(TTS)は高めの価格で、外貨を売る場合(TTB)は安めの価格です。
要するに高く買って安く売る、このTTSとTTBの差が外貨預金のコストになります。
その差は米ドルの場合1ドル当たり1円~2円程度です。これは金融機関や外貨の種類により違います。
FXの場合も、高く買って安く売るという仕組みは同じですが、これをスプレッドと言います。
このスプレッドが外貨預金に比べて桁違いに小さいです。1ドル当たり数銭程度、中には1銭以下の業者も有ります。
これであれば仮に取引倍率を1倍にしておけば外貨預金と同じリスク、しかも手数料が格段に違う。人気が出るのもうなずけます。
なぜ手数料が安いのか?
この様に、安い手数料を維持するためには徹底したコスト削減で、多くのお客さんに取引をしてもらわなければなりません。いわゆる薄利多売ですね。
そのために、FX取引は、一部電話で対応できるところも有りますが、殆どがインターネット取引限定となっています。
仮に営業担当者がセールスを行ったとします。
1万ドルの取引を勧誘したとしてもそこから得られる手数料はせいぜい数百円、これでは営業担当者に報酬を支払うことが出来ません。
低コストを売り物にしているFXは、基本的にインターネット取引しか成り立ちません。
それではインターネットを出来ない人はFXは出来ないのでしょうか?そうです。ほとんどのFXはインターネットを利用しなければ出来ません。
FXをするには先にインターネットを覚えると便利です。
複雑なFXの仕組みや、為替相場の見方に比べれば、インターネットを始めることは簡単です。
FX取引の注意点
インターネットであれば全て問題ないのか、と言うわけでもありません。
実際に怪しいサイトも跋扈していますので、その業者が金融庁に登録されている業者かどうか?そして登録されていたとしても、そのサイトが本物かどうか?現実には金融機関を装う偽サイトも有りますので注意を要します。
商品の販売コストを下げるためには効率化が必要条件です。
その為の手段が極力人手を省き、投資家への助言も行わない。
担当者が付くということは、その人件費がどこから出ているのか?それなりに高いコストを投資家が支払っているのであれば納得でしょうが、でなければそのような商品は成り立ちません。
前回書きましたローリスク・ハイリターンの商品と同様、詐欺だと疑いましょう。
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