【2008年 第8回 「地球温暖化」を考える(3)】地域コラム 甲信越・北陸
田中 美紀子(タナカ ミキコ)
地球温暖化の主な原因であるCO2を減らすために、我が家では家庭でできる省エネ・節約を心がけています。使わない電化製品のコンセントは抜いておく、電気はこまめに消す、エアコンの使用を最小限にするために夏は打ち水、ゴーヤなどの緑のカーテン、すだれを吊るす、またガスの使用を最小限にする調理術を試みるなどなど。
しかし、これらの涙ぐましいけれど結構楽しい努力にも限界というものがあります。日本の電化製品は省エネ技術が発達しているので、新製品に買い替えてもさほど効果は得られないし、もうこれ以上のCO2削減は無理!となると、採れる次なる策は・・・?
CO2を生じる石油・石炭などの化石燃料を使わずに、CO2を出さない「代替エネルギー」を使う方法を考えるべきではないでしょうか。
「代替エネルギー」は、国や企業などが多額の開発費を投じて生み出すもので、個人はそれを使用する側でしかないと思っていましたが、世の中の代替エネルギーの技術開発は予想をはるかに超えて進んでいるのでした。
太陽エネルギーの最先端技術開発会社リルミナティ(アメリカ)が開発した「太陽発電バッグ」。縦40.5㎝×横32㎝、厚さ何と1mmの薄いフィルムシートに54個の太陽電池を内蔵、それを表面に貼り付けた、小型のボストンバッグが発売されたのです。
もちろんバッグとして使いながら、外出時に持ち歩いたり、室内の陽の射し込む窓辺に置くことによって太陽エネルギーを吸収して発電するしくみになっています。どのくらいの発電量かというと、携帯電話・デジタルカメラなどを繋ぐと2~4時間で充電できるそうです。
バッグの価格は3万円程度、バッグ本体の価格を考えるとそれ程高価なものではありません。毎日、燦々と降り注ぎ無限である太陽エネルギーを代替エネルギーとして活用しない手はないので、今後、太陽発電の技術開発がもっともっと進んでくるものと思います。家庭でも自分の消費する電力分くらいは、自分で手軽に発電する時代がくるかもしれません。
日本の食糧自給率39%に対して、エネルギー自給率は4%(2005年、原子力を除く)。
先進国の中でも一番低く、最近話題となっている食糧自給率ですが、実はエネルギー自給率の低さの方が問題だと思います。
多数の地質学者によると、世界的な原油の生産量はもう既にピークを迎えたかまもなく迎えるといわれています。これからだんだん原油の生産量が減少し、最後に枯渇してしまうということです。一方、世界のエネルギーの需要は、人口増加、途上国の経済発展によって増え続けています。
こういったエネルギーの需要供給のアンバランスな状況を解消する鍵は、代替エネルギーの開発にあります。日本も、今後、太陽・風力・バイオマス・地熱・雪氷熱などの自然エネルギーを使った開発に力を入れて、輸入に頼らずにエネルギー自給率を高めていくことがとても重要だと思
います。
●日本のエネルギー自給率の動向
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