【2008年 第10回 住まいを整える】地域コラム 甲信越・北陸
田中 美紀子(タナカ ミキコ)
あなたの家は整理整頓が行き届いて、快適な生活空間となっていますか?
それとも部屋中にモノがあふれて、収拾がつかなくなっていますか?
私自身、家の中を片付けることが得意な方ではなく、学生時代から通算すると引越し11回、その度にモノを整理して処分してきたはずなのに、いつのまにかあふれているモノ、モノ、モノ。
来年春にはまた引越しの予定がありますが、前回、荷造り・荷ほどきに膨大な時間とエネルギーを使い大変だったことが脳裏をよぎります。あの作業をまた繰り返したくない、そのためには今行動するしかないと一念発起。
クラターコンサルタント 山下洋程子さんが主宰する、住まいを整える「断捨離だんしゃり セミナー」に参加したのでした。
「クラター」とは「ガラクタ」のこと、「断捨離だんしゃり」というのは、ヨガの心の執着を手放す行法である、断行、捨行、離行、からきているそうです。家の中にあふれるモノと自分との関係を問い直し、不要なもの・不適なもの=ガラクタを敢然と処分して、住まいを整え、さらに自分自身の感情をも整えていくというのがセミナーの目的です。
よくある収納術とは根本的に考え方がちがっており、収納するモノからなくしてしまおうという発想です。その潔さには参りました。
さて、セミナーが進められる中、自分の家の中の状態が実は「ゴミ溜め」か、よくて「物置」であることにあらためて気づかされ、愕然とするのです。
洋服ダンスの中には、10年以上も前に買って(中には20年以上のものも!)ここ数年着た記憶のない服たちがわがもの顔で場所をとり、衣替えの季節になると「捨てるのはもったいない、まだ着れる」という言葉が頭をかすめて、出し入れの作業を繰り返す。世の中のファッションも自分の体形も変化して、決して着ることはないのに・・・。
押入れの中には使わなくて久しい布団が眠り、書棚には本がぎっしりと縦横無尽に並び、食器棚にはお気に入りのワイングラスや大鉢に交じって、使わないグラス・お皿などが所狭しと雑多に並んでいる・・・。まだまだ数え上げたらきりがありません。
よくここまでモノが増え続けたもの、許容量をはるかに超えているではありませんか。これは「モノが主役」の座をしめている状態であり、ここから「自分が主役」の状態に変えていかなければいけないと教えられます。
モノと自分とが使用頻度や思い入れなどどういう関り方をしてきたのかを思いおこし、不要なものや自分にふさわしくないものを見極めて処分し、必要最小限のモノに絞り込む。
しかし、「言うは易く、行うは難し。」
そのプロセスには大いなる悩み、いくつもの壁が待ち受けているらしい。また、夫や子供など家族が「抵抗勢力」として台頭してくる場合もよくあるとのこと、その「抵抗勢力」をいかにして説得し味方につけるかも成功の秘訣なのでしょう。
最終的に目指すのは、厳選された必要最小限のお気に入りのモノとの快適な清々しい暮らし。引越しの大変さを軽くしたいという思いで参加したセミナーでしたが、そのような一過性のものではなく「快適に暮らす」というもっと奥深い考え方との出会いがあり、これはこれからの人生をも左右することになると実感した次第です。
「モノを取り除いた空間には、幸せが降ってくる」という素敵なことばに、気持ちがとても前向きになってきます。我が家の「断捨離」はスタート地点となる場所を決めてまだ始まったばかり、ゴールまでは数か月かかると思われます。
果たして我が家が変貌をとげることができますかどうか、乞うご期待。
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