【2006年 第1回 】[教育]地域特性~学都仙台の抱える問題は~
大山 順 (オオヤマ ジュン)
仙台市は、「学都仙台」と呼ばれるほど教育に力を注いできた歴史があり、現在でも東北大学をはじめ多くの大学・専門学校が設置されています。
人口に対する学生比率についても、政令指定都市の中で京都・福岡・東京23区についで4位にランクされる程です。
北海道・東北地区の大学進学率は低迷?
そんな中2002年における宮城県の高校生大学進学率は、年々増加傾向にあるものの、その水準は全国平均44.6%に対して宮城県35.4%と全国平均から9.2%下回っており、全国47都道府県中41位と低迷しています。
また北海道・東北地区でみても、全国下位を独占している状況にあります(総務省「社会生活統計指標 -都道府県の指標-(E 教育)」より)。
進学率が全てではないけれど・・・
もちろん進学率という数字が、教育を考える上で全てであるとは思いません。学歴に関係なく大きな成果を残してきた先人も多数いらっしゃいます。
また全国的に年々進学率が上昇しているに理由についても、学力云々より、近年の少子化問題により「18歳人口」と「学校側の収容力」との需給関係が変化した事による影響の方が大きいのでは?と解釈できるデータ(「山形県高等教育機能整備基本戦略」より)もあります。
しかし進学率を低迷させている原因が、進学の意欲があっても学力が目標に満たないという事であれば、この数字は深刻な問題として捉えるべきでしょう。
「学力と進学率低迷」問題を優先して議論しては?
最近の宮城県では、「一律男女共学化」が最も大きな教育問題として取り上げられています。
既に、「宮城県議会は12月15日、全会一致で県立高校の男女共学化推進の請願を採択(2005.12.15河北新報)」という報道があった通り、その計画は「男女別学派」からの大きな反対を受けながら推し進められようとしています。
少子化・県財政・性差別といった、一律男女共学化を推し進めるため理由はあるのでしょうが、一時的に「一律男女共学化問題」を凍結して、「学力と進学率低迷」の問題が優先して議論されてもよいのでは?という気がします。
【2006年01月11日00時00分】
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