【 2011年 第18回】 運用商品の中身 その1(国債等債券について) 相談コラム
恩田 雅之(オンダマサユキ)⇒プロフィール
相談内容
- 相談者 Aさん(35歳) 男性/既婚
この春、小学校に入学した子供がいます。
高校進学、大学進学までは、まだ時間がありますので、教育費を預貯金より金利の高いもので運用したいと思っています。どのようなもので運用したらいいでしょうか。
今まで預金のみで運用の経験はありません。
回答
お子様の小学校ご入学おめでとうございます。
高校進学までには、小学校6年間、中学3年間と合計9年間あります。
大学進学までですと、高校3年間をプラスして合計12年間になります。
9年以上の長期的な運用が可能です。
一般的に、長期運用する場合には、株式のようなリスクの高い運用商品も検討する対象になります。しかし、Aさんの場合はお子様の高校大学の学費を賄うための資金ということで、使う時期を1年先、2年先と自由に変更することができません。
高校進学、大学進学の時期に併せて元本が確保されるような運用するには、株式運用よりも、債券運用のように償還時期(定期預金の満期のようなもの)が適していると考えます。
それでは、債券投資について簡単に説明をさせていただきます。
債券は、国や地方自治体、企業などが直接、投資家から資金を借りるために発行します。
それぞれの債券には額面と利率が決まっています。額面とは、発行した債券が償還されるときに投資家に支払われる金額になります。
利率は、額面に対して利子率になります。
仮に額面100万円、利率2%、償還までの期間5年の固定金利型債券に投資したとします。償還までに毎年利子を100万円×2%=2万円。2万円には利子税(20%)がかかりますので、実際は1.6万円になります。
5年後の償還時には、額面金額100万円+利子1.6万円=101.6万円を受け取ります。
5年間の合計は100万円+1.6万円×5年間=108万円になります。
ただし、債券はいつも額面金額で発行されるとは限りません、発行時の金利や景気の動向などのより債券価額は額面より安くなったり、高くになったりします。
額面金額より安く購入した場合は、償還時に額面金額と購入時の債券価額の差益に税金がかかります。額面100万円 購入時の債券価額99万円の場合には、1万円(100万円-99万円)に対して税金がかかります。
上記では固定金利型債券を例に説明をいたしました。固定金利型債券は、債券購入時に、額面の金額と償還までの期間の利子が計算で運用利回りの計算ができます。
また、債券の中には変動金利型のものもあります。変動金利型は債券の場合は、市場金利の動きに連動して金利を変更します。額面金額は固定ですが、毎年の金利は市場金利に連動して増減するため、毎年受け取る利子の金額が変わってきます。ですから、償還時にならないと運用期間全体の運用利回りが計算できません。
また、外国の債券には国内の債券に比べて高い利率のものが多くありますが、外国の債券への投資には為替リスクがあります。仮に、購入時より償還時に円高になっていますと、為替差損が出ます。逆に、円安になっていれば為替差益がでます。
Aさんの運用目的から考えると為替リスクのない固定金利型の国内債券による運用が適していると思います。
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