経済指標をチェックしよう(主な経済指標の説明)【2011年 第22回】

【2011年 第22回】経済指標をチェックしよう(主な経済指標の説明) 
相談コラム

恩田 雅之(オンダ マサユキ)⇒ プロフィール

相談内容

  • 相談者 Dさん(40歳) 男性/既婚
    株式投資を始めて7年になります。企業の業績を確認しながら投資をしています。
    最近は、企業の業績以外の事で株価が変動することが多くなっている印象を受けます。
    個々の企業業績以外に何を確認しておくといいでしょうか。

    回答

現在(9/28)の投資資金の大きな動きとして、株式や商品等の価額変動の大きい商品から、信用力(格付けの高い)があり流動性のある国債などに投資資金がシフトしています。
その関係で、ドイツや米国、日本の国債の金利が低下、価額が上昇しています。

その原因としては、ギリシャの債務危機に端を発した南欧諸国のソブリンに対する不安や米国債の格下げ、米国経済の鈍化などが考えられます。
欧州の問題は、今後どのように展開するかは予想がつきませんが、米国経済の状況については、目安になる経済指標があります。その代表的な経済指標について紹介させていただきます。

Dさんは、国内株への投資が主ですが、世界経済がグローバル化している今、海外の経済指標や主要な会議に関心を持つことが必要だと考えます。その中で、世界のGDPの1/4を占める米国景気の動向は、要チェックです。

米国のGDPの内70%が個人消費になります。米国の消費者(生活者)の状況を知ることが今後の景気動向を考える上で必要になります。
米国の生活者の動向を知る経済指標として「米国 主要雇用統計」があります。この指標で、失業率と雇用者数の増減が確認できます。発表は、毎月第1金曜日(米国時間)になります。雇用者の増減により景気が回復傾向か減速傾向かの判断材料になります。

また、「米国 小売売上高」によっても、米国の景気の動向を知ることができます。これから、クリスマスシーズンに向けてこちらの指標も要チェックです。発表は、翌月の15日前後に発表になります。

米国の企業の状況を知る指標としては、「IMS景況感指数」があります。
こちらは、製造業と非製造業に分けて発表されます。
指数で50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を示唆すると言われています。
発表は、製造業が翌月第1営業日、非製造業が翌月第3営業日になります。

これらの指標は、毎月発表になります。日本の株式市場にも、大きな影響を与える経済指標になります。定期的にチェックすることをお勧めします。日経新聞の月曜版には、上記の経済指標を時系列で確認できるページがありますので、切り抜きをして保存しては、いかがですか。

ユーロ圏の経済指標は、「失業率」と「小売売上高」は、翌々月の上旬に発表になります。また、「景況感指数」につきましては、各国毎の発表になります。

次に主要な会議の中では、「米国のFOMC」、「欧州のECB」、「日本の日銀政策決定会合」の3つの会議をチェックしましょう。
政策金利を上げるのか、下げるのか、今の金利を継続するのか、今後どのような金融政策を打つのか、という発表があります。景気動向、為替動向(円高、円安)に影響を与える重要な会議です。

年内の開催予定日(現地時間)は、
FOMCが、11月1日、2日/12月13日
ECBが、10月6日、20日/11月4日、17日/12月8日、22日
日銀政策決定会合が、10月7日、27日/11月15日、16日/12月20日、21日
になります。

以上、個々の企業の業績以外でその企業の株価に影響を与える要因として、主要な経済指標、主要な会議を紹介させていただきました。

上記の経済指標や会議の発表内容によって、株式市場全体に影響を与えることがあります。悪い発表の場合、業績の良い企業、悪い企業関係なく売られてしまうことがあります。そんな時は、業績の良い企業を安く買えるチャンスかも知れません。

個別企業の業績確認と並行して、主要な経済指標、会議の発表をチェックすることで、より安定した株式投資が期待できると考えます。

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