【2005年 第1回】年末調整のポイント ~海外勤務・・・出国前にしておく税金の手続きは? 年末調整
山中 伸枝(ヤマナカ ノブエ)⇒ プロフィール
法務省入国管理局の調査によると、平成16年度の日本人出国者数は、およそ1683万人。
これは昭和54年の出国者数と比較すると約4.2倍だそうです。
出国先と目的を見てみると(入国管理局データ 平成12年度)観光目的の出国が一番多く82%程度です。
次いで短期商用・業務、そして留学となります。
出国者の住所地
平成16年の出国者の住所地別調査によると、東京、神奈川、千葉、奈良、愛知、大阪、埼玉、兵庫、京都の順となっております。
私は1990年から94年までアメリカオハイオ州で暮らしていましたが、関東の方より関西の方が多いように思ったのは、単に「関西弁」が目立つから・・・だったのでしょうか?
税金のポイント
税金のポイントは、所得税については日本にいる間に稼いだお金には、日本の税金がかけられ、海外赴任中に稼いだお金はその国の税金の対象になるという点です。
これに対し住民税は1月1日現在の住所地が日本であれば、1年分の住民税がかかるし、その時点で海外に住んでいればその年の住民税はかからない、となっています。
但し、海外赴任期間が1年未満だと、例え1月1日に日本に住所がなくても1年分の住民税がかかります。
例えば「今年12月から海外赴任に!期間は2年」となれば、出国前にしなければならない税金の手続きは次の2点です。
① 11月末までの収入に対して、所得税の手続き、準確定申告をします。間に合わない場合は、納税管理者を決めてその旨を税務署に届出すれば、その方が2006年3月15日までにあなたに代わって確定申告をすることになります。
② 市区町村役場に転出届けを出す。12月に出国し1年以上海外勤務となれば、2006年1月1日の住所は海外ということになり2006年分の住民税は支払わなくてもいいことになります。
2005年分の市民税の支払いは、2006年に請求されますので、その際の支払い方法を口座振替の手続きをするなど、指定する必要があります。
海外赴任となると、なにかと慌しく不安も大きいと思いますが、お金の面や生活面など信頼できるFPなどにあらかじめ相談していると安心だと思います。
監修者:赤坂 慎二
【2005年11月30日】
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