【2005年 第2回】年末調整の事例 ~ 海外勤務・・・赴任先での税金は?~ 年末調整
山中 伸枝(ヤマナカ ノブエ)⇒ プロフィール
海外勤務時の税金は、「居住者」か「非居住者」かによって異なります。
海外に継続して1年以上居住することが、非居住者としての条件です。
日本にいないのだから、今住んでいる国で税金を払ってね、というのが基本のルールです。
では、勤務地の税金は・・・というと、それはその国のルールによるのでケースバイケースです。
アメリカでの課税
私が住んでいたアメリカを例にとると、Non-Residentまたは Resident に区分され、それに応じて課税されます。
海外勤務なら通常Non-Residentでしょうから、アメリカ国内での収入に対して課税されます。
ここでのポイントは、アメリカでの「働き」に対して支払われた収入全てがアメリカの課税対象になる、というところです。
単身赴任でお父さんだけがアメリカで家族は日本、給与の一部は日本の口座に振り込まれるといった場合でも、その分も含めてアメリカで税金の手続きをすることなります。
外国人に適用される税金は、その国の移民法などにも絡むため、ビザによっても取り扱いが違います。
トラブルを避けるためにもプロへの相談をオススメします。
住宅ローン控除は?
そして、転勤といえば気になるのが、留守宅のことです。
会社に留守宅を借り上げてもらうケースもあると思いますが、その時発生する賃貸収入については、非居住者であっても日本の課税対象となり、納税管理者に手続きをお願いすることになります。
それともう一つのポイントが住宅ローン控除です。
日本国内での転勤で単身赴任の場合、家族が引き続き住宅ローン控除をうけている住宅に住み続ける場合は、そのままローン控除を受けることが可能ですが、お父さんが非居住者で単身赴任となるとこの制度は使えないので、控除は受けられません。
また家族全員で海外に転居した場合は、国内のケースと同様、戻って来たら適用期間の残りの年数に対して、ローン控除が受けられることになっています。
やはり、税金はきちんと理解したいものですね。
納税者から「KNOW税者(税金を知る者)」への脱皮を目指しましょう!
【2005年12月09日】
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