新聞やTV、ラジオなどで目や耳にする情報は間違いだらけなのかも?【2014年 第7回】

2014年 第7回 新聞やTV、ラジオなどで目や耳にする情報は間違いだらけなのかも?         - 最新ニュース解説。FPとして言わせていただくと…

菱田 雅生(ヒシダ マサオ)プロフィール

先日、某新聞社が30年以上も前の記事を取り消すと発表して大きく騒がれましたが、程度の違いこそあれ、新聞に載っている記事や、TVやラジオから流れる情報、インターネット上の情報など、世の中に流れる情報は、必ずしも正確かというと、そうではない情報が多いのかもしれません。私たちは、世の中に流れる情報を目や耳にする際、正しいかもしれないし、間違っているかもしれないということを常に意識することが重要でしょう。

 

 

 

 

新聞記事

新聞を毎日読んでいると、筆者が多少なりとも専門的な知識を持っている分野に関する記事について、内容が間違っているというほどではないにしても、ニュアンスが微妙に違う、間違いではないけれども正しくもないと感じることがたまにあります。「本当は少し違うんだけどなぁ」と思ってしまう記事が意外と多いのです。

筆者が比較的詳しい分野に関する記事についてそう思うということは、筆者が詳しくない分野の記事に関しても、その道の専門家が見れば、同様に「間違いではないけれども正しくもない」と感じる記事が存在している可能性が高いと思われます。

そう考えると、新聞に載っている記事は、そのほとんどが正確ではない情報が載っていると言っても過言ではないといえるのではないでしょうか。記事を鵜呑みにすることだけは避けたほうが無難かもしれません。

TVやラジオの場合

さらに、TVやラジオの場合は、もっと気をつけるべきだと思われます。

というのも、スポンサーがあってはじめて成り立つそれらの業界は、流す内容についてもスポンサーを多少なりとも意識せざるをえないからです。

実際に、筆者が10年ほど前に出演していたラジオ番組では、某保険会社がスポンサーであったこともあって、直接スポンサーからの圧力があったわけではありませんが、保険についての批判的なコメントはNGとされました。保険が加入者にとって確率論上は不利であるという本質的なことさえも、一切しゃべれなかったのです。

そして、10年以上前に出演したTV番組では、もっと露骨だったこともありました。住宅は賃貸がトクか購入がトクか、というテーマについて取り上げる番組で、放送前の打ち合わせのときにプロデューサーから、スポンサーの関係上、賃貸がトクとなるような方向性で番組を作りたいと言われ、ビックリしたのを覚えています。FPとしては、そのように断言することはできないと伝えましたが、これが現実なのかと思ったものです。

また別のTV番組では、公的年金をテーマにした番組で、収録時には、筆者の「国民年金への加入は国民の義務ですからね」というコメントで番組を締めくくりました。その後、オンエアの日を待っていたところ、絶妙なタイミングで国会議員の国民年金への未加入の問題や保険料の未納の問題などが世間を賑わせる事態になってしまい、局の上層部の判断だと思われますが、急遽オンエアされないことになってしまいました。出演料はいただいたものの、お蔵入り。後味の悪い仕事になってしまいました。

よく、TV番組などでヤラセが発覚して問題になることがありますが、番組制作の現場を何度か見させてもらってわかりましたが、TV番組やラジオ番組は、すべて人の手で作られているものです。極端に言えば、すべての番組がヤラセです。ニュース番組でさえ、数あるニュースの中から、時間帯や視聴者層にあったニュースを制作会議でピックアップして、ニュース原稿を作成して流しているのです。視聴者に興味のないニュースを流しても、視聴率や聴取率は高められないからです。

すべてヤラセだといっても、悪質だと思われるものから、絶妙な演出だと絶賛されるものまでさまざまですが、営利企業として収益を生み出すための努力をしているのだと考えれば、いちいち目くじらを立てなくてもよいかと思われます。某国営放送でさえ、次年度の予算を確保するために視聴率を上げることに躍起になっていると聞きます。紅白や大河ドラマにAKBやジャニーズが毎回出るのは、そういう大人の事情があるからだとも考えられるのです。

したがって、私たちは、新聞やTV、ラジオなどからは中立公正な情報が流れているのではなく、情報の流し手の意図が入った加工された情報が流れていることを常に意識し、目や耳にした情報は、正しいかもしれないし、間違っているかもしれないので、複数のチャネルから得られる情報を総合的に判断することが重要かと思われます。

インターネット

インターネット上で流れている情報についても、さまざまな人が「いいね!」などと同調するものに注目度が集まるようになっていますが、多くの人が「いいね!」と言っている意見や情報ほど、逆の意見や違った情報があるかもしれないという意識を常に持って見るべきでしょう。情報過多な時代、その情報に流されないように自分をコントロールできるようになりたいものです。

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