【2006年 第4回】教育ローン 負担するのは誰? 教育
野口 正子(ノグチ マサコ)
子どもにはお金の心配をかけたくないというのが親心というものなのでしょうが、現在のように給料は思うように上がらない、老後資金の準備も始めたい、親の介護の心配もあるとなれば、教育資金は大きな負担になります。
それぞれの支出を、うまくバランスをとって乗り切るために、強い味方になるのが奨学金や教育ローンです。
教育費はいったいいくら必要なのか、わが家の家計状況を子どもにオープンにして負担について親子で話し合いを持つことが大切です。
大学まで親が面倒を見るのか、それとも高校までなのか。
奨学金を使う
自分のことは自分でというご家庭なら、子どもが返済義務を負う奨学金を返済に無理のない程度に利用するのがいいでしょう。
子どもの経済的自立心を育てるのにも大いに役立つことでしょう。
奨学金には、独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)の奨学金の他に、学校や自治体などでも独自の奨学金制度を設けているところもありますし、新聞配達のように働きながら奨学金を受ける方法もあります。
教育ローンは親
これに対し、教育ローンを借りるのは親です。
金利が低いものには国民生活金融公庫が扱っている「国の教育ローン」があります。
これには「教育一般貸付」、厚生年金や国民年金に10年以上加入している人が利用できる「年金教育貸付」、教育積立郵便貯金の預金者は所得の制限なく借りられる「郵貯貸付」の3つの制度があり、金利は年1.55%です(平成17年12月9日現在)。
財形利用者が借りられる「財形教育融資」は2.27%です(平成18年1月適用金利)。
また、自治体によっては教育資金融資があるところもあります。
民間教育ローンは、一番低利な八千代銀行でも変動金利で2.225%~、岐阜信用金庫で4.125%となっています。
返済のことを考えると、低利な国の教育ローンの利用を優先して検討すべきでしょう。
フリーローンは借りやすい分、金利も高くなっているので、教育費が一番かかる大学の入学金と授業料の納付に間に合うように、余裕を持って教育ローンの手続きをするのがお得です。
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