歴史から学ぶライフプラン&ファイナンシャルプランニング(2) 天下人・豊臣秀吉から学ぶ“コミュニケーション能力”【2014年 第2回】

2014年 第2回 「天下人・豊臣秀吉から学ぶ“コミュニケーション能力”」- 歴史から学ぶライフプラン&ファイナンシャルプランニング

豊臣秀吉像(狩野光信筆・高台寺蔵)

佐藤 益弘プロフィール

2回目は・・・この人の名前を知らない日本人は、まず、いないでしょう。

戦国最大のスーパ-スター 天下人“豊臣秀吉” (とよとみひでよし)の登場です。

何と言っても、当時の最下層の身分からTOPである天下人まで上り詰めた・・・日本史史上、最大の成り上がり者ですから・・・。

今回はその秘訣を見ていきましょう。

このコラムは、2014年に執筆した マイアドバイザーコラム 「歴史から学ぶお金の話」シリーズの加筆修正版のコラムです。

はじめに・・・

最近は、50歳代、60歳代のご自宅(中古住宅)の対処~買換えやリフォーム、賃貸物件への変更、空き屋対策などのFP相談が増えています。

こんにちは、お金の家庭教師こと、株式会社優益FPオフィス・CFP®認定者の佐藤益弘です。

さて、2回目に登場して貰うのは・・・この人のことを知らない日本人はいないでしょう。

天下人 “豊臣秀吉” (とよとみひでよし)です。

今年の大河ドラマの準主役で、以前は西田敏行さんや緒方拳さんなど数々の名優が演じていますが、最近は竹中直人さんの十八番(おはこ)ですね。

当時の最下層である農民層から日本のTOP:天下人になった・・・恐らく、日本人の中で歴史上、最も出世した人物=成り上がり者です。

ジャパニーズドリームを体現したスーパースター的な存在です。

今回は、「天下人になれた」その秘訣を見ていきましょう。

豊臣秀吉とは、どんな人?

プロファイル(略歴)は、以下の通りです。

勉強になる逸話・・・

秀吉に関しては、勉強になる逸話がたくさん伝わっているので、絞り込むのはとても難しいです。

「墨俣の一夜城の築城」、「金ヶ崎の撤退劇」、「備中高松城の水攻め」、「中国大返し」、「小田原攻めでの石垣山一夜城」など・・・晩年はともかく、事実上の天下統一を果たすまでのストーリーは胸がトキメキます。

常に変化していく世間の波風をしっかり読み、乗り越えていったのが「秀吉の凄さ」です。

世間の常識を覆した方ですから・・・。

また、統一の過程で始まっている、刀狩りなどによる治安維持や身分の確定(兵農分離)、太閤検地や石高制の統一などによる税制の統一化、海賊の取り締まりや朱印船貿易を通じてなされた物流システムの構築、鉱山経営に裏付けされた貨幣鋳造など 画期的な新政策を全国的に実施することにより、秀吉自身も経済基盤を安定化させています。

それらの政策を通じて、中世封建社会から近世封建社会への転換を一気に成し遂げた点が、秀吉の最大の功績でしょう。

皮肉にも、これらの政策が、以後260年近く続く江戸幕府の礎を築いたことになるのですが・・・。

なぜ、秀吉にできたのか?というと、恐らく、様々な人との関わりの中で、人一倍気難しい信長に重用され、苦労して学んだ経験があったればこそではないか?と感じています。

秀吉から学べる現代の知恵!

様々なことがありますが、最も学べる点は、「コミュニケーション力」でしょう。

歴史小説の大家である故司馬遼太郎氏は、著書新史太閤記の中で、秀吉の人間的魅力を「人誑(たら)し」と言わしめ、その魅力で天下を勝ち取ったと言い切っています。

現代で言えば、“卓越した“コミュニケーション能力”だと言えるでしょう。

例えば、信長に仕官した際の「草履取り」の時の話しは有名です。

寒い日に草履をはこうとした信長が、草履が暖かいので、秀吉が草履を尻に引いたと思い、怒った信長に対し、実際は背中で暖めていた。感心した信長が以降、秀吉に重責を与えるようになり、出世していったと言う有名なお話しです。

事の真偽は不明ですが、一見、閑職に思われる「草履取り」という役職ですが、上司と常にコミュニケーションを取れる、今で言うと 社長の車の運転手 的な役回りですから、上司である信長の考え方や健康状態をはじめ重大な秘密を知ることになります。

ですから、私は、この司馬遼太郎氏にして「人誑し」と言わしめた魅力の根底には、気むずかしい信長を思いやることで的確にニーズをつかみ、それを満たすために一生懸命考え、「機転」を効かせた対応をすることで、感動を与えたことがあるのだと感じています。

また、その過程で様々な方と触れ合い、黒田官兵衛はじめ、たくさんのサポーターもできたのだと思います。

ただ、逆の発想から考えると、長期的な視点に立つライフプランは持ち合わせていなかったのかもしれません。

何せ、次の代で「豊臣」はなくなってしまうのですから・・・(苦笑)。

項数が少なくなってしまいました。

後は、直接、お会いしたときお話しできれば・・・と思います(笑)。

以上、次回に続く。

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