【2005年 第1回】 平均寿命 ~信越・北陸は全国一の長寿エリア ~ 老後
鈴木 克昌 (スズキ カツマサ)⇒ プロフィール
日本人の平均寿命は、年々延び続けています。
厚生労働省が今年発表したデータによると、男性は78.64年、女性は85.59年と、いずれも前年の数字を上回りました。
地域別平均寿命
地域別の傾向を見ると、信越・北陸地方の健闘が目立ちます。
厚生労働省が5年ごとに発表している「都道府県別生命表」の直近(平成12年)のデータでは、男性は長野県が1位、福井県が2位を占め、女性は福井県(2位)、長野県(3位)、富山県(7位)、新潟県(9位)、石川県(10位)と、全県がベスト10に入っています。
中でも長野県は、男性が3回連続で1位、女性が4位→4位→3位と、長寿県としての地位を確立しています。
長野県は、1人当たりの老人医療費が全国一低いことでも知られています。
「健康で長生き」長野県の特質
この「健康で長生き」という長野県の特質については、国民健康保険中央会の調査(平成9年)を初めとする各種の調査によって、次のような要因が指摘されています。
1.保健活動が活発で、特に「保健補導員」という、保健活動に携わる住民の自主的組織は全国的に例のない規模で制度化され、地域の健康意識の向上に貢献している。
2.持ち家率が高い、高齢単身者比率や離婚率が低いなど、在宅医療を可能にする条件が整っており、自宅での死亡割合が高い。
3.就業率、高齢者就業率とも全国1位(平成12年国勢調査)で、高齢者の大半が農作業などの仕事を持ち、生き甲斐を持って暮らしている。
長野県からは、PPKという新語も生まれています。
これは、ピンピンコロリ(=死ぬまで元気で、病まずに死ぬ)の略語で、今日では、老後の生き方の理想像として、全国的に広まっています。
長生きのリスク
近年、寿命が長くなるのにつれて、「長生きのリスク」ということが意識されるようになり、特に、老後の生活費や介護・医療の費用など、資金面の心配が強調されています。
しかし、ライフプランの三大要素は、生き甲斐・健康・経済(お金)だと言われています。
生き甲斐と健康がなくては、お金があっても意味を持ちません。
その点で、PPKを実現している長野の事例は、ライフプラン作りのための大きな参考になると言えるでしょう。
【2005年10月12日00時00分】
この記事へのコメントはありません。