【2005年 第2回】住居費 〜終の棲家を求めて〜 老後
山中 伸枝 (ヤマナカ ノブエ)⇒ プロフィール
終の棲家を考えるとき、家を取得するためのイニシャルコストを検討するとともに、そこに住まい、暮らしていくためのランニングコストも十分に考る必要があります。
住居費が占める割合
生活費の中で住居費の占める割合は大きく、総務省「家計調査年報」の2003年のデータによると、勤労世帯の消費支出の6.8%を占めていることがわかります。
消費支出の全国平均は325,823円に対して住居費が22,248円です。
都道府県別にみると、都市部にいくほど住居費の負担は大きく、全国のトップは東京で31,816円。北関東地域は、茨城20,898円、栃木14,087円、群馬16,833円となっています。
ただしこのデータは賃貸や持ち家などを含めた全国平均ですから、住宅ローンをかかえた世帯でいえば負担率はそれ以上でしょう。
住宅購入者の年代別データ
住宅購入者の年代別データをみると、注文住宅購入者は50代が23.1%、60代以上が22.3%です。ほぼ半分ですね。
また、分譲住宅では50代が9.6%、60代以上が5.2%。そして中古住宅は50代が17.3%、60代以上が18.2%となっています。
熟年世帯が終の棲家として住宅を購入されているケースも多いことが分かります。
子育て世代とは違う住宅選びのポイント
終の棲家として考えれば、子育て世代とは違う住宅選びのポイントがいくつか考えられるでしょう。
例えば居住空間の安全性。バリアフリーにしたり将来車椅子での生活にも対応できるような空間を確保したり、水周りなども工夫が必要でしょう。
またどういう生活環境で過ごしたいのかというのも十分検討しなければならないでしょう。
田舎暮らしがしたいのか、都会でくらしたいのか・・・医療機関はどうなっているのか。
高齢になり適切な医療を受けるために、そこまでの交通費など医療費以外の部分でどれだけ負担がでるのか?
子ども世帯との住居の距離はどの位か?お互いを訪問するのにどれだけの時間とお金がかかるのか?
終の棲家を考えるとき、家を取得するためのイニシャルコストを検討するとともに、そこに住まい、暮らしていくためのランニングコストも十分に考えないといけませんね。
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