【2005年 第2回】 生活費 ~小さなことからコツコツと~ 老後
和田 雅彦(ワダ マサヒコ) ⇒ プロフィール
人間誰しも、長生きしたい、と思っているわけですから、長寿であることは喜ばしいことだと思うんです。
しかし、FPの世界では、「長寿はリスクである」といわれています。
何故でしょう?
長生きするということは、それだけ長い間お金がかかることになるわけです。
もし老後の収支が赤字であれば、長生きすればするほど赤字が膨らんでいくということになってしまいます。
老後の生活費
総務省の家計調査のデータを見ると、老後夫婦で最低限月25万円必要で、余裕ある生活をしようとするなら37万円程必要だということのようです。
また大阪市内、神戸市内、京都市内など都市部では当然生活費が多くかかります。
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」では、大都市と郡部では最低限の生活費で月4万円、余裕ある生活費で月6万円の差が出ています。
月6万円を侮るなかれ!もし老後の生活が25年あると仮定すると、1,800万もの差が出てきます。
都市部の生活は便利ではあるけれど、それだけ生活費もかかることを認識する必要があるでしょう。
老後の収入
老後の収入の柱は何と言っても公的年金です。
今の年金制度ではモデル夫婦世帯(夫サラリーマン、妻専業主婦)で毎月20万から25万ほどのようです。
生活費も年金額も、千差万別ですので一概に言えませんが、一般論として、老後年金だけで暮らしていくのは難しいと言えます。
仕事を続けるのか、あるいは今までの蓄えを切り崩していくのか?
老後も仕事を続けるためには、現役時代にいろんな経験やスキルを積んでおくことも有利な再就職には必要なことでしょうし、健康であることも必要でしょう。
少子化による労働力不足の中で、高齢者の需要は高まるのは間違いないと思いますが、スキル、技術があるとないでは、受け取れる賃金にかなりの差が出てくるはずです。
老後の備えは現役時代から
蓄えを取り崩すといっても、それは現役時代から蓄えてきたものでしょう。
いずれにしても、現役時代のうちから、自助努力として、いろんな面から老後への備えをしていく必要があります。
金を残す為には当然、現役時代からコツコツと貯金していくことが基本ですし、健康も現役時代の節制が影響すると思います。
大阪人はシビア?
コツコツと貯金。
これは関西人(特に大阪人)の得意分野じゃないでしょうか。
大阪人はケチとよく言われます(「ケチ」じゃなくて、「シビア」だと思いますが)。
厚生労働省の毎月勤労統計調査年報、総務省の家計調査年報を見ると、大阪府の賃金収入は全国平均を大きく上回っているのに、消費支出は全国平均を大きく下回っています。(調査を見る限り、このシビアさは関西でも大阪だけでした。)
このケチ(シビアさ)も大事ですね。
不必要な出費を現役時代から抑える癖をつけておくと、お金を残すこともできるし、老後も無駄な出費をしないようです。
お金の備え、健康の備え、そしてスキルを積むこと。
自分の老後の生活について、早くイメージをして早く対策を取ることが大事です。
早期発見、早期治療 これが基本です。
恐れる必要はありません。
また、老後のことに意識が向きすぎて、今の生活が楽しくないものになるといけないので、
「できることから、コツコツと」これですね。
できるだけ早く、少しずつコツコツと。
さあ、マイアドバイザーを利用して始めましょう。
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