【2016年 第5回 公的介護保険の要介護(要支援)認定状況】生命保険を考える時に絶対役立つ情報!
松浦 建二(マツウラ ケンジ)⇒ プロフィール
どこの保険会社でも医療保険やがん保険等のパンフレットでは、保障の必要性をわかりやすくしたり保障内容を選びやすくしたりするために、いろいろな統計を使って説明しています。
どれも保障を考える上でとても役立つ情報なので、その中から特に重要な統計を取り上げ、さらに詳しくみていきたいと思います。
第5回は民間の介護保険のパンフレットで使われることの多い公的介護保険制度の要介護(要支援)認定者数の統計を取り上げます。
民間介護保険の給付要件は公的介護保険制度に連動
生命保険会社の介護保険には介護年金や介護一時金等の保障があり、下記のような状態になったときに給付金等を受け取れます。
・公的介護保険制度の要介護2以上に認定された時(要介護の区分は介護保険によって異なる)
・保険会社所定の要介護状態に該当した時(主に被保険者が満65歳未満の場合)
このように公的介護保険制度と連動させている保険が多いことから、介護保険への加入を検討する人は、加入する前に公的介護保険制度の内容を十分理解し、要介護(要支援)認定の現状等を確認しておきたいところです。
要介護(要支援)認定者数は606万人
全国の要介護(要支援)認定者数は高齢化進展とともに増加傾向にあります。
下記の図表は平成26年度末の要介護(要支援)認定数です。
公的介護保険制度の第1号被保険者とは65歳以上の者で、第2号被保険者とは40歳~64歳の医療保険加入者のことです。
要介護(要支援)認定者数は6,058,088人(平成27年3月末)で、前年度より22万人(3.8%)増えています。
認定の区分は要支援1から要介護5まで7区分あり、最も多く認定されているのは軽度な方から3番目の要介護1で117万人となっています。
次に多いのは要介護2の106万人で、最も少ないのは要介護5の60万人となっています。
第1号被保険者は要介護(要支援)認定を受けるのに介護や日常生活の支援が必要となった原因を問いませんが、第2号被保険者は原因が特定疾病(末期がんや脳血管疾患等)に限られます。
その為、第2号被保険者の要介護(要支援)認定者数は第1号に比べてかなり少なくなっています。
65歳以上の6人に1人が要介護(要支援)認定
高齢化の進展に伴い、第1号被保険者自体も増えています。
26年度末(平成27年3月末)の段階で3302万人となっており、前年(平成26年3月末)から100万人も増えています。
第1号被保険者に占める要介護(要支援)認定者の割合(認定率)は17.9%で、65歳以上の人は6人に1人が要介護(要支援)認定者という状況です。
要介護(要支援)認定者だけでなく第1号被保険者も増えているため、認定率は前年と比べたら僅か0.1%増ですが、10年前は15.7%なので、要介護(要支援)になる確率は少しずつ高まっていると言えます。
公的介護保険制度を補完するための介護保険
生命保険会社の介護保険は公的介護保険制度でカバーしきれない経済的負担に備えることができます。
介護が必要となった時にはどのような介護サービスを希望し、そのためには自助努力でどのくらいの備えをしておくべきかをまずイメージしておくと良いです。
公的介護保険制度については各自治体のホームページ等で確認することができ、要介護(要支援)認定者数や介護保険サービスの利用状況等については厚生労働省の「介護保険事業状況報告」で確認することができます。
介護への経済的備えは、安心できる分だけ貯蓄しておけば介護保険に加入しなくても特に問題はないです。
ただ、貯めるのが難しかったり、保険で備えた方が安心できたりするなら、生命保険会社の介護保険を利用してみては如何でしょうか。
この記事へのコメントはありません。