【2005年 第3回】起業(件数、業種など) ~増加する起業家たち~ 個人事業
安藤 朋子 (アンドウ トモコ)⇒ プロフィール
平成15年2月から施行されている「新事業創出促進法(最低資本金規制の特例)」により会社設立をする際に必要であった最低資本金に特例が施され、誰でも会社設立が容易な環境になり1円起業は起業ブームの火付け役となりました。
しかし、会社設立後一定期間の間に最低資本金を準備しなくてはいけませんから、これはこれでなかなか難儀なものでした。
代わりに平成17年「新会社法」が誕生してこれから起業しようという人にとってはチャンス到来といった感じでしょうか。
起業の様々な形態
さて一口に「起業」と言っても様々な形態があります。週末起業、女性起業、学生起業、シニア起業など様々。
週末起業は会社を辞めてまで起業する勇気はない。だから週末を利用しようという会社員。
いわゆる副業でしょうか。これなら夫婦でも週末仕事が出来ます。
そしてとりわけここ数年元気なのが女性の起業です。
よくドキュメンタリー番組などでも取り上げられていますね。
起業するための講座やセミナーも盛んに行われています。
また起業しようとする人をバックアップする企業も増え、HPに代わる宣伝媒体にブログを利用することも盛んです。
昔と比べたら営業ツールが特段に便利になってきていることも増加の一因ではないでしょうか。
また一昔前と異なるのが「モノ」を売る以外にも「情報」を売るという職種も非常に増えてきています。
在庫を抱えなくていいわけですから。
起業の理由
しかしなぜ今、起業しようとする人が多く、かつ増加の一途を辿っているのでしょうか?
多くの理由のひとつは勤務先への不安でしょう。
この先いつリストラに遭うかわからない、いつ倒産するかわからないなどの不安を抱えています。
特に女性はそういった危険因子に対する察知が早くしかも行動も迅速です。
昨今の晩婚少子化も後押しして「独りで生きていく」女性が増えました。
「ひとり」なのですからなおさら不安は倍増します。だから「自分でなんとかしなくちゃ」と考えるわけです。もしくは主婦が一念発起という場合もあるようです。
次にシニアです。
最近のシニアは本当に元気です。
年々増加する早期退職後、定年のない仕事をと考え起業する場合もあるようです。
大学等でも起業シミュレーションの講義があり活発です。
学生の場合はともかく、いずれの場合も年齢に関係なくずっと働きたいという願望が根底にあるようです。
あらゆる可能性も併せて考える
しかし現実は厳しいものです。総務省統計局「平成16年事業所・企業統計調査」によると(以下参照)明らかに廃業事業所数が新設事業所数を大きく上回っています。
これはいかに起業後の存続が困難かを如実に表しています。
起業はしたが廃業に追い込まれたでは元も子もないでしょう。
消費者金融のCMではありませんが何事も計画的に・・・です。
しかしどんなに用意周到計画的に行動しても失敗するときは失敗します。
起業すると同時にありとあらゆる可能性(失敗も含め)も併せて考える必要があるようです。
総務省統計局「平成16年事業所・企業統計調査」より抜粋
<県名・・・ 新設事業所数(件) / 廃業事業所数(件)>
・茨城県 ・・・12,320 / 19,510
・栃木県・・・ 9,494 / 15,512
・群馬県 ・・・10,841 / 16,330
【2005年09月28日00時00分】
この記事へのコメントはありません。