【2005年 第4回】人材派遣(件数、業種など) ~人材派遣の今~ 派遣
安藤 朋子 (アンドウ トモコ)⇒ プロフィール
一昔前は学校を卒業したら終身雇用でひとつの会社に勤務したものです。
でも今は「転職」「再就職」などの言葉が飛び交っています。
ひとつの会社で勤め続けることのほうが珍しいものとなりつつあります。
そして「仕事をしよう」と思ったときに今は様々な方法で職に就くことができます。
また価値観の多様化とともに個人のライフスタイルも多様化し転職や再就職の方法も多様化しています。
人材派遣
特に女性の生き方が多様化していますから、寿退社、出産、育児を経て社会復帰する女性が以前より増えています。
むしろ女性が家庭に収まらず働いて当然という流れもあります。
それなのに現在の日本では女性の再就職はまだまだ難しい環境にあります。
そんななか救いの手とも言うべき再就職支援のひとつに人材派遣があります。
人材派遣の歴史は意外と古く1960年代には日本に登場しています。
派遣社員は正社員の不足分を補うだけの補足的な役割でしかなかったのですが、今では正社員、アルバイト・パートに続く雇用形態として定着しつつあります。
企業にとってなくてはならない存在です。
派遣は一大産業
2005年に発表された厚生労働省の調べによると2003年度の派遣スタッフ(派遣労働者数)は236万人に達していることがわかりました。
すでに一大産業となっています。北関東でも大幅に増加しています。
そして派遣業務は26種類ありますが、なかでも特にOAインストラクション、事務などのデスクワークの派遣が多いようです。
新卒派遣
最近では新卒者が人材派遣会社で数ヶ月の研修を受講し、その後派遣スタッフとして働く形態(新卒派遣)が注目されています。
派遣スタッフとして1年働いたあと、新卒者は引き続きその企業で正社員となって働くか、別の企業に異動するか、さらなるスキルアップを目標に学校に行くなどの選択をすることができます。
企業としては新卒者をいきなり正社員で採用するよりは様子を見ながら派遣スタッフを採用するほうが合理的です。
新卒者も会社の様子を見ながら働けます。
しかし派遣もいいことばかりではありません。少し前よりは社会保険も完備され社内での立場も守られるようにはなりましたが正社員のそれと比べたらまだまだ劣ります。
派遣会社に所属するとはいえ、仕事がなければただ登録しているだけに過ぎません。
派遣期間も3か月未満が68.4%、6か月未満が全体の約9割(89.6%)を占めており派遣期間は短いのが現状です。
将来の不安
結婚しない女性が増えていますが彼女らの共通の悩みは「派遣だと先が不安」なのです。
「30歳になる前になんとかしなくちゃ」「30代でなんとかしなくちゃ」といつも年齢を気にしています。
正社員ならまだしも、派遣社員で独身女性となると先が見えず本当に不安になるものです。
年齢の壁にぶち当たる前に不安を抱え込まないような就労形態に落ち着きたいものです。
「派遣スタッフなら誰でもいい」ではなく「あなたでなければ困る」と企業側からラブコールされたいものです。
参考:厚生労働省「労働者派遣事業の平成15年度事業報告の集計結果について」
【2005年10月05日00時00分】
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