自分の“武器”になる資格を取ろう【2014年 第1回】

2014年 第1回 自分の“武器”になる資格を取ろう キャリアアップにつながる資格のお話

松山 智彦(マツヤマ トモヒコ)⇒プロフィール

1月になると「資格を取ろう」という広告を良く見ます。「1年の計は元旦にあり」という事で心新たにチャレンジしたい気持ちを上手く煽っています。ところで資格取得は本当にメリットがあるのだろうか?そんなお話を綴りたいと思います。

みなさんは資格をお持ちですか?またはとろうとしていますか? それはなぜですか? どういう目的で資格を取りたいと思いましたか?今回はそういったところをご案内します。

○資格の効果による違い

一口に資格と言っても、資格によってその効果はことなります。例えば、「自動車運転免許」の場合、本来公道で自動車を運転することは禁止されているものを許可してもらうための資格になります。免許がないと運転できないのはみなさんもご存知ですよね。

同じようなものに「税理士資格」があります。税理士法という法律によると、税理士協会に登録がないと税理士法に定める業務を行う事ができません。その登録のためには「税理士試験」に合格する事が必要です。「宅地建物取引主任者」や「貸金業務取扱主任者」の場合には試験の他に、一定の講習を受けなければ登録する事ができません。

一方、ファイナンシャルプランナーは、資格がなくても職業にする事はできます。但しファイナンシャルプランニング技能士やCFP(r)などは、肩書きとしてその名称を使う場合には、資格試験に合格するなど一定の手続きが必要になります。

つまり資格には、大きく試験に合格して登録しないと業務ができない「業務独占」の資格と、業務はできるが肩書きとして名称を使うためには試験に合格する等一定の手続きが必要な「名称独占」の資格、日商簿記、ITパスポートなど試験に合格する事が一定のスキルを表す資格に分けられます。

主な資格の種類

 

 

○資格の取得方法による違い

資格といっても全ての資格が試験に合格しないと取得できないわけではありません。

「第三種電気主任技術者」の場合、大学など一定の学校のカリキュラムの中で第三種電気主任技術者に関連する講義を受講・修了する事で資格が与えられます。また「食品衛生責任者」の場合は、これに関連する講義を受講したら資格が与えられます。

 「税理士」の場合は、必須・選択を含めて5科目の試験合格が必要になります。但し5科目を一気に取得する必要はなく、5回に分けて受験する事も可能です。また税理士試験が免除されて登録を受けられる場合もあります。

○ “受験資格”の有無による違い

資格試験の合格が前提となる資格の場合、その試験そのものに受験資格が必要な場合があります。

「税理士」の場合は、受験資格に大卒で関連する科目の単位取得済みという条件があります。その条件に満たない場合には、「日商簿記1級合格者」「全経簿記上級合格者」であれば受験できます。

「CFP®」の場合は、AFP認定者である事が条件になっています。

「旅行取扱管理者」「宅地建物業務取扱管理者」などは、特に受験資格を設けていません。

○身になる資格とは?

「資格を取りたい」「何かスキルを身につけたい」と思う気持ちは誰にでもあるはずです。ではどの資格がいいのだろか?どれが身になる資格なのだろうか?

それは目的によって大きく異なります。例えばビジネスチャンスや所得を増やしたいといった場合には、キャリアプランに合わせた資格を検討すべきです。例えばシステムエンジニアの場合、上級の情報処理技術者の資格だけでなく、データベース系だとオラクルマスター、管理者系だとプロジェクトマネジャーといった方向性を定めて絞っていくといった具合です。

また趣味を資格にといったケースもあります。以前に行われていた「時刻表検定」は、一見時刻表大好き人間がその活用スキルを競う資格試験に見えますが、最上級である「博士」まで行くと報酬を出すという旅行会社があったそうです。次回以降にご案内しますが、私が取得した「国内旅行業務取扱管理者」(以前は国内旅行業務主任者))は、完全に趣味だったのですが、試験合格後、この資格講座の講師依頼が来た事があります。

趣味の資格でも、しっかりキャリアアップにつながる事もあります。なによりもその資格がある事は、その分野の知識を勉強してきた証明にもなりますので、けっしてあなどってはいけません。

○挫折してはいけない!最後まで勝つ!

資格取得の勉強を始めたら、試験時間の最後の1分まで諦めてはいけません。私の個人的な意見ですが、たとえその試験が不合格だったとしてもそこまでしてきた勉強は決して無駄ではなく身になっているはずです。単に第三者にそれを証明する事ができないだけなのです。

しかし、途中で挫折してしまうと、それまでの時間や知識が無駄になります。また大概の場合、その分野の事が嫌いになるケースが多いです。テキストを見向きもしないといった具合にです。特に受講費用が安い資格ほど、挫折しやすい傾向にあるようです。

根性論なのかもしれませんが、一度頑張ると決めた勉強は、試験会場を出るまで諦めない事が大切です。

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