【2006年 第2回】スーツ購入は、夏のボーナスまで待て! 新社会人
平野 泰嗣 (ヒラノ ヤスシ)
4月になり街を歩いていると、「あ、新人さんだな」と、なんとなく雰囲気でわかる若者が多く見かけられます。
それが、しばらく経つと、いつのまにか普通のサラリーマン、OLと同化してしまい、「新人さんは、どこにいったのかな?」と不思議に思います。
収入に占める被服・履物の支出割合
今回は、「衣」がテーマということで、一人暮らしで30歳未満の人が、毎月どのくらい衣服にお金をかけているか見てみましょう。平成16年全国消費実態調査によると、収入に占める被服・履物の支出割合は、男性は4.8%、女性は13.0%という結果です。
前回、東海地域の初任給のおよその金額について見てみましたが、仮に男性20万円、女性19万円と仮定すると、1ヶ月の衣服・履物に対する支出は、男性の場合は9,600円、女性の場合は24,700円ということになります。男女を比較すると、やはり女性の方が被服・履物にお金をかける傾向があるようです。
■男女別若年勤労単身世帯の男女別消費支出の費目構成
※平成16年全国消費実態調査「若年勤労単身世帯の家計収支の状況」より作成
男性の場合、社会人になると「服装で人が判断されるから、身だしなみは大切。
スーツ・靴・カバン・時計は、良いものを身に付けろ!」とよく言われます。
そうは言っても、一度に揃えたら10万円は軽く超えます。
新社会人のお給料では、ちょっと難しいかもしれませんね。
クレジットカードの利用
そこで考えるのは、クレジットカードのボーナス一括払いやカードローン、キャッシングの利用などではないでしょうか?
クレジットカードのボーナス一括払いには、金利や手数料がかからないものがほとんどですが、カードローンやキャッシングには、年率15%前後に設定されているのが通常です。
例えば、20万円でスーツや靴などを買い、金利18%のカードローンを利用した場合、毎月の支払い金額を10,000円に設定にすると、返済回数は24回、最終回の支払いは9,554円となり、利息の総額は39,554円になります。
カードローンは、毎月の返済金額を自分で自由に設定できるため、無理なく返済でき、自分の欲しいものを手に入れることができますが、利息をいくら支払うのか?という視点は大切です。
基本は「貯めてから買う」
夏のボーナスを待って、20万円でスーツや靴などを買った場合と上の事例を比較すると、カードローンを使った場合、39,554円無駄なお金を使ったことになります。
この金額があれば、もっとお洒落なシャツやネクタイが買えると思えませんか?
今回は、「衣」のテーマからカードローンの話になってしまいましたが、基本は「貯めてから買う」という習慣をつけることが大切だと思います。
カードローンを一度利用すると、消費行動がカードローンの利用を前提に考えてしまう傾向があるような気がします。
もしそうだとすると、カードローンの高い金利を一生払い続けなければなりません。
結論は、「スーツ購入は、ボーナスを待て!」です。
そういえば、新人さんが、普通の社会人に同化する時期って、夏のボーナスの時期だったかもしれません。
【2006年03月15日00時00分】
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