【2006年 第4回】 「学」と「楽」でバランス良く、キャリアアップを! 新社会人
平野 泰嗣 (ヒラノ ヤスシ)
新入社員に関することで、よく「七五三現象」という言葉が使われます。
これは、入社して3年以内に辞める人が、中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割の割合で発生する現象を言います。
「会社に入ったばかりなのに、もう辞める話?」なんて思うかもしれませんが、意外と自分の周りで起こりうる話なのです。
転職は慎重に
せっかく苦労して入った会社だけど、何か自分の思い描いた会社のイメージと違うと感じ、安易に辞めてしまう人が多いようです。その後は、転職がうまく行かず、フリーターやアルバイターになってしまい、後悔する人も多いと聞きますので、転職は慎重に考える必要があります。
キャリアアップ
社会人になると「キャリアアップ」という言葉をよく耳にするようになると思いますが、このキャリアには、大きく2つの要素があると思います。
一つは、自分の業務遂行の中から身につけた経験。
もう一つは、専門的な知識です。
専門的な知識があっても、経験が伴わなければそれはキャリアとして意味を持ちません。
ですから、1年目から3年目の間は、資格取得を検討する前にまず、自分の仕事の中から学ぶべきことを学び、経験をたくさん積むことを心掛けて欲しいものです。
そして、経験を積む中で、もう少し専門的な知識を身に付けたいという思いが強くなった時に、資格取得や大学院進学などを検討してみるのも良いでしょう。
単に資格を取得したい、箔(はく)を付けたいというだけでは、時間とお金がムダになります。
教育訓練給付金制度
勤務者のスキルアップを国が援助する「教育訓練給付金制度」というものがあります。
厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し修了した場合、受講料の一部が支給されるという制度です。
資格取得のための講座など数多くが教育訓練に指定されています。
会社に勤めると雇用保険に入ることになりますが、雇用保険の加入期間が3年以上の場合、受講料の20%(上限10万円)、5年以上の場合は40%(上限20万円)がハローワークから支給されます。
この3年または5年ごとというのは、なかなか絶妙なタイミングで、3~5年ごとに、自分のキャリアの棚卸(たなおろし)を行い、必要な専門知識を身につけるためにこの制度を利用するという方法が理想的です。
会社に勤めキャリアを積んでいくと、転職して更にキャリアアップを目指すか、あるいは会社内でスペシャリストとして上を目指すか、という大きく2つの方向があると思います。
そこで、「目的別資格ランキング」ということで、「転職準備のための資格ランキング」と「企業内スペシャリスト系資格ランキング」というものをピックアップしてみました。参考にどうぞ。
◇目的別資格ランキング
転職準備のための資格ランキング
企業内スペシャリスト系資格ランキング
第1位 TOEIC
第2位 情報処理技術者
第3位 簿記検定
第4位 TOEFL
第5位 システムアドミニストレータ
第1位 中小企業診断士
第2位 ファイナンシャルプランナー
第3位 証券アナリスト
第4位 税理士
第5位 社会保険労務士
※「仕事の教室ビーカム・2004年1月号:リクルート発行」より引用
※「企業内スペシャリスト系資格ランキング」TAC調べ
「学」と「楽」のバランス
今回は、「学」がテーマでしたが、「楽」(がく)を忘れてはなりません。
決して「楽」(らく)ではありませんよ……。
趣味や遊びを通して人生を楽しむことも大切です。
人生を楽しむということは人間味豊かになることです。
これは、今後、どんな場面で仕事をする場合でも一番大切な「キャリア」ではないかと思います。
ぜひ、「学」と「楽」のバランスを取って、充実した人生を送っていただきたいと思います。
【2006年03月31日00時00分】
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